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ビルや住宅は省エネ性能で選ぶ時代に、4月1日から新しい法制度が始まる法制度・規制(3/4 ページ)

ビルや住宅を対象にした「建築物省エネ法」が2016年4月1日に施行される。建築物のエネルギー消費量が基準に適合するように義務化の範囲を拡大する。さらに基準に適合していることをラベルやマークで表示する制度も拡充して、企業や家庭に省エネ型の建築物を普及させる狙いだ。

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省エネ性能は設計情報で評価

 実際に省エネ性能を評価するためには、空調や照明などのエネルギー消費量に加えて、外皮(壁や窓など)による熱の損失を考慮する必要がある(図6)。非住宅の場合には外皮の断熱性能を「PAL(Perimeter Annual Load、年間熱負荷係数)」と呼ぶ数値基準で計算する。冷暖房に必要な外部の熱と内部で発生する熱を合計して、床面積あたりの断熱性能を評価する方法だ。


図6 建築物の区分による省エネ性能評価。出典:国土交通省

 一方でエネルギー消費量は「一次エネルギー」に換算して評価する。一次エネルギーは自然界に存在する化石燃料や再生可能エネルギーのことで、一次エネルギーから作る電力や都市ガスなどは「二次エネルギー」と呼ばれる。建築物で消費するエネルギーの多くは二次エネルギーだが、原料になる一次エネルギーに換算して消費量を計算する。

 省エネ性能は建築物が立地する地域や用途、床面積によって基準値が決まっている。空調や照明のほか、昇降機(エレベータ)や事務機器・家電機器のエネルギー消費量を合計して「基準一次エネルギー消費量」を計算する。これに対して建築物の設計情報をもとに「設計一次エネルギー消費量」を算出して、「基準一次エネルギー消費量」を上回らなければ省エネ基準に適合するとみなす(図7)。


図7 一次エネルギー消費量の計算方法。出典:国土交通省

 「設計一次エネルギー消費量」ではエネルギー管理システムによるエネルギー削減量や再生可能エネルギーを使った発電システムのエネルギー創出量を差し引くことができる。設備を使わないで実施する節電対策は対象外だ。「設計一次エネルギー消費量」と「基準一次エネルギー消費量」を計算するプログラムは「国立研究開発法人 建築研究所」がインターネットで提供している(→プログラム提供ページへ)。

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