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エネルギー消費が“正味ゼロ”のビル、実現にはまず50%の省エネが必須へ省エネ機器(4/5 ページ)

2030年までに新築建築物の平均でZEBを実現する政策目標が掲げられる中、経済産業省では、エネルギー基本計画に明記されたZEBの政策目標達成のために、ZEBロードマップ検討委員会を開催。ZEBの定義やロードマップなどの検討内容を発表した。

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3つのZEBの定量的な基準

 さらにこれらを定量的に定義したのが以下である。

 ZEBは以下の2つに適合した建築物を指す

  1. 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量(エネルギー消費性能基準)から50%以上の一次エネルギー消費量削減
  2. 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

 つまり、ZEBはまず基準一次エネルギー消費量を半減させた上で、再生可能エネルギーの発電で残りを満たすということが必要になる。

 Nearly ZEBは以下の2つを満たす建築物を指す。

  1. 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減
  2. 再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75〜100%(未満)の一次エネルギー消費量削減

 Nearly ZEBについても50%の省エネ化をした上で、残りの電力の75%以上を再生可能エネルギーによる発電でまかなう必要があるということだ。

 ZEB Readyは以下の基準を満たす建造物である。

  1. 再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減

 ZEB Readyは基準値より50%省エネ化を実現した建築物を指すということになる(図5、図6)。

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図5 3つのZEBの定義(クリックで拡大)出典:ZEBロードマップ検討委員会
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図6 3つのZEBの位置付けと評価方法(クリックで拡大)出典:ZEBロードマップ検討委員会

 今回の定義のポイントは、ZEB実現のためには「まず50%省エネ」ということが必要になるという点である。発電量を膨大に増やしただけではZEBの実現はできない。そのため、発電量を増やすことを考えるより、まずは省エネ構造の建築物をどう実現するかという観点が重要になる。

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