現調を1日から2時間へ短縮、Matterportで実現する建設DXの「内製化」と「BIM連携」:第8回 国際 建設・測量展(1/2 ページ)
野原グループが販売するデジタルツインサービス「Matterport」は、現況調査の時間を「1日から2時間」へと大幅に短縮する。導入企業の東急建設は現場の3Dデータ化作業を内製化し、複数現場で横展開している他、鳥取県の美保テクノスは点群データを取得し、BIMモデルを作成する「Scan to BIM」に活用している。
設計・施工の起点となる現況調査は、多大な労力と時間を要している。図面との不一致に起因する手戻り、膨大な写真整理に関する負荷などは軽視できない。高度な3Dデータを扱うためのハイスペックな作業環境も高いハードルだ。こうした状況を打破し、現況調査を「1日から2時間」へ大幅短縮するのが、野原グループが販売するデジタルツインサービス「Matterport(マーターポート)」だ。
野原グループの中村奏太氏は、「第8回 国際 建設・測量展(CSPI2026)」(会期:2026年6月17〜20日、幕張メッセ)で、「現況調査の新常識 Matterport(マーターポート)」と題して講演した。LiDARカメラの登場やBIM連携といった進歩の早いデータ環境下で、Matterportがどのように業務を改善できるかを実例を交えて紹介した。
現況調査の「3大課題」を打破する、誰でも簡単な3Dデジタルツイン
建設現場の現況調査(現調)には、解決すべき課題が3つ存在する。課題の筆頭は、写真撮影と計測業務に要する多大な労力だ。図面が古い、あるいは存在しないといった現場では、複数のスタッフが現地に赴き、作業をする必要が生じる。現場では膨大な数の写真撮影に加え、スケールやレーザー距離計などで計測しなければならない。
第2の課題は、事務所に戻ってからの作業負担と「手戻り」のリスク回避だ。例えば、写真整理中に撮り漏れや測り忘れが発覚するケースだ。写真の不備のために再度の現地訪問と撮影を余儀なくされた経験は、多くの担当者の記憶にあるのではないだろうか。
そして第3の課題は、3Dデータの利用で必須となる環境整備だ。膨大な情報を持つ3Dデータを快適に扱うには、高い処理能力と堅牢性を備えたワークステーションが望ましい。当然ながら、点群やBIMなどを扱うための高価な専用ソフトウェアも必要となる。問題なのは、3Dデータにまつわる環境整備の必要性が、事業者だけにとどまらないことだ。場合によっては、3Dデータを閲覧する発注者や関係者にも同様の環境が必要となる。
野原グループが販売するMatterportは、こうした現調の課題を「誰でも簡単に3D化できる」というコンセプトで解決する。現場データは、専用カメラでボタンを押すだけで誰にでも簡単に取得可能だ。専門知識なしで現場の360度の空間情報と高精度な深度データを同時に得られる機能は、現調の大幅な効率化に寄与する。
データ取得後の作業も大幅に効率化される。Matterportのカメラで取得したデータは、空間内を歩き回る「ウォークスルー」や全体を俯瞰する「ドールハウスビュー」で、現地に行ったことがない関係者でも、直感的に現場状況を把握できる。
データの閲覧や編集は、一般的なWebブラウザ上で完結する。ハイスペックなPCは不要で、閲覧するだけならスマートフォンやタブレットでOK。現場と事務所、発注者との間で認識を共有できる。
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