日本酒「七田」で知られる天山酒造の“酒蔵”をMatterportでデジタル化、5000m2の施設を1日で撮影完了:点群(1/2 ページ)
マーターポートは、日本酒「七田」の酒蔵製造ラインをMatterportキャプチャーサービスとPro3カメラで、デジタルツインで鮮明に3Dモデル化した。
手持ちのスマホであらゆる現実空間をデジタル化するサービスを提供しているマーターポートは2023年6月26日、佐賀県小城市の天山酒造の酒蔵施設全般を対象に、Matterportキャプチャーサービスと専用Pro3カメラを駆使して撮影し、細部に至るまで3Dモデルで再現したデジタルツインを構築した。
「Matterport Pro3」で、酒蔵施設全般を1日で撮影完了
「七田(しちだ)」「天山(てんざん)」などの日本酒ブランドを展開する1875(明治8)年創業の天山酒造は、伝統の技を革新の発想で生かす「不易流行」の精神を重んじ、国の有形登録文化財に登録された蔵や設備に、国内外から最新技術や設備を取り入れ、創業以来の品質本位の酒造りを貫き、日本酒の革新に積極的に取り組んでいる。日本酒造組合中央会で需要開発委員長も務める六代目蔵元の七田謙介氏のもと、世界に通用するスパークリング日本酒の開発や海外輸出を進め、世界各国の日本酒コンクールで例年多数の賞を獲得するなど国内外から高く評価されている。
七田氏によれば、酒蔵を3Dモデル化した理由について、日本酒の魅力や世界観を瑞々しさとともに国内外に発信できる強力なコンテンツになるとの期待から、国内で先陣を切ってMatterportを導入したという。
3Dモデル作成にあたっては、Matterportキャプチャーサービス(Matterportによる撮影代行サービス)とマーターポート社員が共同で酒蔵をスキャンした。機材は、距離を測るLiDARとRGBセンサー、12枚の超広角レンズを備えたMatterport Pro3を使用。高精度かつ高速なスキャン、高精度な3D点群データの生成、屋内外の広い空間のスキャンが可能な専用カメラで、約5000平方メートルの撮影は約1日で完了した。機材もカメラ1台のみで済み、工場の稼働を妨げることもなかった。撮影したデータは、Matterportのクラウドサービスで自動合成され、デジタルツインとして閲覧できる。
デジタルツイン上では、測定モードを活用すれば、簡単に施設や設備を計測。ハイスペックPCや専門知識は不要で、誰でも直感的にスマートフォンからでも、メモや動画などの追加や編集も簡単に行える。
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