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大成建設の合意形成を支える「建設承認メタバース」 生成AI連携で現場定着の壁を突破:AI×メタバース(1/3 ページ)

大成建設は、発注者との合意形成を効率化する「建設承認メタバース」を開発した。BIMをベースにした3D建物空間の共有に加え、仮想空間での検証から承認までの打ち合わせを生成AIとの連携で、記録して保管する今までにないデジタルツインシステムだ。ゲーミフィケーション要素で承認プロセスを効率化した新規性が評価され、「日本DX大賞」の奨励賞を受賞している。

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 大成建設は、BIMデータをもとに3D仮想空間を構築し、発注者や設計者、施工者の合意形成を支援する「建設承認メタバース−CONSTRUCTION CONTRACT(略称:C2QUEST)−」の適用範囲を広げている。発注者への説明や仕様決定、議事録などを一元管理し、関係者間の認識のズレを減らすのが目的だ。Rimo Voiceとの連携による議事録作成やエビデンス保管の効率化に加え、現場が使いたい機能から導入できる形にしたことで利用の間口を広げ、現場定着を実現した。

合意形成の負荷から始まった「建設承認メタバース」プロジェクト

 大成建設は2022年後半に、メタバースプロジェクトを立ち上げた。2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されることを先に見据え、社内で働き方改革に向けた課題を洗い出した。その中で、発注者や設計事務所との合意形成に多くの時間と労力が割かれていることが浮かび上がってきた。

 大成建設 建築本部 プロジェクト・マネジメント部 課長 川瀬豪氏は、「それまでは2D図面をベースに発注者と打ち合わせをしていた。ただ、発注者の中には建築を専門としない方も多く、図面だけでは完成後の空間をイメージしにくくボトルネックとなっていた。3Dで分かりやすく表現できないかと考えたのが出発点だった」と振り返る。

大成建設 建築本部 プロジェクト・マネジメント部 電力施設計画室 課長 川瀬豪氏
大成建設 建築本部 プロジェクト・マネジメント部 電力施設計画室 課長 川瀬豪氏 撮影:BUILT編集部

 大成建設がメタバースプロジェクトの中で開発した「建設承認メタバース」は、BIMモデルをもとにクラウド上に建築物の3D仮想空間を構築し、発注者への説明や仕様決定の経緯、議事録などを一元管理するシステムだ。開発に際しては、日立コンサルティング、GlobalLogic Japan、日立社会情報サービスの協力を得た。発注者、設計者、施工者が同じ仮想空間に入り、確認事項や懸案事項を共有し、認識のズレを減らす。2025年7月23日には、社内システムとAPIを効果的に活用し、ゲーミフィケーション要素で承認プロセスを可視化/効率化した点が評価されて、「日本DX大賞2025」事業変革部門の奨励賞を受賞した。

 大成建設では、自社が設計・施工を手掛ける案件だけでなく、他社設計でもBIMモデルを作成する全案件BIM化の体制を整え、設計と施工が一体となったBIMベースの業務フローを推進している。そのため、BIMモデルをベースとする建設承認メタバースは、多様なプロジェクトにスムーズに適用できる。現在は、完成イメージの共有、カラースキーム(配色計画)、サイン計画の検討など、目的に応じてBIMモデルを軽量なメタバースデータに変換して利活用している。

BIMを誰でも扱える3D空間へ、クラウドで実現する確認環境

 建設承認メタバースの仮想空間内には、建物課題=Questを示すポイント(ログポイント)を配置し、3D仮想空間内をロールプレイングゲームで楽しむようにアバターで自由に探索しながら、解決していく使い方を基本としている。機能面では、アバターの視点変更や平面図からの移動、ドローン視点での確認などを備える。

ゲーム感覚で確認事項をチェックできる「建設承認メタバース」
ゲーム感覚で確認事項をチェックできる「建設承認メタバース」 提供:大成建設
「建設承認メタバース」のドローン視点機能
「建設承認メタバース」のドローン視点機能 提供:大成建設

 こうした3D空間を専門ソフトや高性能PCに依存せず誰でも利用できるように、建設承認メタバースはWebアプリとして構築されている。3D描画の処理は、米Epic Gamesのゲームエンジン「Unreal Engine」を用いてクラウド上の仮想マシンで実行し、手元のPCでは操作だけを行う。ゲームエンジンで最適化した操作性とクラウドにより、テレワークのオンライン会議でも使える仕組みを実現した。「ゲーム的な操作感も取り入れつつ、クラウド化でより多くの人が扱える形に“民主化”したかった」と川瀬氏は説明する。

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