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「大工不足」を3Dプリンタで解決 ポリウスと西尾レントオールが全国100台体制へデジタルファブリケーション(1/2 ページ)

西尾レントオールは、国産の建設用3Dプリンタ「Polyuse One」のレンタルを2025年11月から開始している。Polyuseは、工期短縮や省人化が強く求められる建設業界に「第3の選択肢」として3Dプリンタを提案。4年連続「インフラDX大賞」に輝くほどの確かな品質管理手法と、西尾レントオールの販売網を融合させ、2028年までに累計1000件の施工を目標に掲げる。

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 建設業界は今、未曾有の危機に直面している。少子高齢化に伴う労働人口の減少、とりわけ熟練技能者の引退は、インフラの維持管理や災害復旧の現場に深刻な影を落としている。

 こうした環境下で、デジタル技術による抜本的な変革を目指すスタートアップ企業がPolyuse(ポリウス)だ。販売する国産の建設用3Dプリンタは、従来の「現場打ち」と「プレキャスト」の利点を兼ね備えた「第3の選択肢」として、全国の自治体や施工会社での採用を広げている。

 西尾レントオールは、Polyuseの建設用3Dプリンタ「Polyuse One(ポリウス ワン)」のレンタルを2025年11月から開始している。2026年7月23日には、千葉県佐倉市にある西尾レントオールの「東日本テクノヤード(東京機械センター)」で、3Dプリンティングのデモを披露した。

西尾レントオールとの連携でレンタルを開始した建設用3Dプリンタ「Polyuse One」。4トントラックで運べるサイズでありながら、最大で3000(幅)×1900(高さ)×2500(奥行き)ミリの構造物を製造できる
西尾レントオールとの連携でレンタルを開始した建設用3Dプリンタ「Polyuse One」。4トントラックで運べるサイズでありながら、最大で3000(幅)×1900(高さ)×2500(奥行き)ミリの構造物を製造できる 提供:Polyuse

迫りくる「2035年問題」と、建設用3Dプリンタがもたらす革新

 建設業界で人手不足は慢性的な課題となっている。統計によれば、型枠大工の総数は2020年の約4万人から、現在の50〜60代が引退を迎える2035年には約2万人へと、わずか15年で半減する見込みだ。特に中国や四国地方など人口減少が顕著な地域では、現場での「大工不足」が工期遅延や工事そのものの断念に直結する深刻な事態となっている。こうした中、建設用3Dプリンタは「工期短縮」「工数削減」「属人化の低減」などを実現する切り札として期待されている。

 従来のコンクリート施工は、職人の熟練技術に頼る現場打ちか、工場で生産された定型品を用いるプレキャストが主流だった。しかし、現場打ちは形状の自由度が高い反面、施工に時間が掛かる。また、プレキャストは工期が短い反面、一品物などの特注品には対応できなかった。

 Polyuseの建設用3Dプリンタは、現場打ちのような自由な形状をプレキャストのように誰でも簡単に作製できる両者の長所を併せ持つ。従来は熟練の型枠大工が必要だった複雑な構造物も、建設用3Dプリンタであれば、デジタルデータに基づいて自動で積層造形できる。属人化の解消につながり、20代の若手社員や業界未経験者でも施工を任せられる。

建設用3Dプリンタについて説明するPolyuse 営業/リーダー 相澤正宏氏
建設用3Dプリンタについて説明するPolyuse 営業/リーダー 相澤正宏氏 筆者撮影

4年連続「インフラDX大賞」受賞、ポリウスが誇る技術と品質管理

 Polyuse Oneは、単なる造形機械ではない。設計、材料、品質管理、そしてデータのトレーサビリティーまでを統合し、既存の建設生産プロセスに変革をもたらす可能性を秘めている。

 その価値は対外的にも高く評価されており、その代表例が、4年連続で国土交通省の「インフラDX大賞」受賞だ。令和6(2024)年度には、史上初となる国土交通大臣賞と優秀賞にダブルで輝いた。その評価は、実用段階での高い信頼性や品質の裏付けともいえる。

 品質管理では、土木学会の指針に基づき、積層造形に用いる専用のモルタルは、材齢3日で30N/mm2(1平方ミリメートル当たり30ニュートン)、28日で60N/mm2という一般的なコンクリートの3倍程度の強度を発現する。また、製造時の水量や温度、圧力などのログを取得し、目視では確認困難な内部の充填(じゅうてん)状況までをデジタルデータで把握している。

 多種多様な部材が3D出力できるようになったことで、道路構造物や農業用水路、さらには重要構造物のフーチング基礎など、2025年3月時点で適用可能な工種は58種類にまで拡大している。

集水桝や階段から住宅の外構まで建設用3Dプリンタの対応範囲は拡大 提供:Polyuse

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