インフラDX大賞受賞の地方建設業でもできる「遠隔施工」、奈良のゼネコンが独自装置とStarlinkで実現:第8回 国際 建設・測量展(2/3 ページ)
中和コンストラクションは「CSPI2026」で、インフラDX大賞を受賞した地方建設業による遠隔施工の取り組み成果を発表した。災害復旧現場での安全確保を出発点に、Starlinkや独自開発した遠隔操縦装置を活用し、省人化や生産性向上を目的とした遠隔操作を実現するまでの道のりを適用事例を交えて示した。
安全確保へ、計画段階から遠隔施工を導入
初めての遠隔施工から約3年後の2020年、中和コンストラクションは同じ栗平川湛水池周辺の現場で、再び遠隔施工に挑んだ。最大高低差60メートルの崩壊斜面から不安定な土砂を掘削し、湛水池まで運搬する必要があったためだ。
課題は2つあった。1つは、強雨によって地盤が緩み、地滑りや土砂崩れが再発する可能性が高いこと。もう1つは、危険性の高い箇所で作業することで、オペレーターに心理的ストレスが掛かり、操作ミスや事故につながる恐れがあることだ。
そこで、快適かつ心理的ストレスも抑えるべく、操作室や映像環境を整備した。現場ではバックホー2台とキャリアダンプ3台の計5台に、後付け可能な汎用遠隔操作装置「サロゲート」を設置。建機には360度カメラや前方カメラを取り付け、遠隔操作室では前方映像、俯瞰映像、現場全体の映像を確認できるようにした。操作には、通常の操作感に近いレバー型コントローラーを採用し、現場と遠隔操作室はローカル4Gで結んだ。
さらに、約1カ月間のトレーニングを実施し、施工効率を検証した。トレーニング初期は搭乗操作に比べて遠隔施工では作業時間が約1.3倍かかり、施工効率は約75%に低下した。その後、カメラ位置やモニター視野角の調整、距離感を把握するためにモニターへテープを貼る工夫などを重ね、作業効率を約90%まで改善した。
実施工では、掘削作業で約85%、法面整形で約67%の施工効率となった。大浦氏は「掘削は十分な成果だが、法面整形といった複雑な操作には、まだ改善の余地がある」と話した。
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