全機種5G対応&水冷化 BIMや点群の需要に応えるレノボ最新ワークステーション:ワークステーション(1/2 ページ)
BIMの普及やAIの利用、点群データから測量図面を起こす処理など、昨今の建設業界では膨大なデータを処理する必要性が高まっている。しかし、扱うデータ量の肥大化に伴い、ハードウェアにはかつてないほどの負荷がかかる状況が懸念されている。こうした建設現場のプロフェッショナルの過酷な要求に応えるべく、レノボ・ジャパンは初の水冷モデルや全モデル5G対応など、最新ワークステーションのラインアップを披露した。
レノボ・ジャパンは2026年6月2日、東京都千代田区の秋葉原UDXで、レノボ初の水冷モデル「ThinkStation P4」を含む最新ワークステーション7モデルを発表した。
レノボ・ジャパン ワークステーション&クライアントAI事業部 事業部長 小林直樹氏は、昨今の状況を「処理すべきデータは日々増大しており、ワークステーションにとって熱との戦いはよりシリアスな状況になっている」と分析する。
発表の目玉は、Lenovoとして初となる水冷式クーラーを採用したデスクトップ「ThinkStation P4」と、現場での機動力を極限まで高めた「全モデル5G対応」のモバイルワークステーション群だ。高性能を安定して使い続けられる「プロの道具」としての進化が、建築・土木・設備の現場にどのような価値をもたらすのか、その概要を解説する。
ワークステーション事業の概要について説明するレノボ・ジャパン ワークステーション&クライアントAI事業部 事業部長 小林直樹氏。「業種を問わず、データの肥大化と、ミッションクリティカルな環境での運用に対する要望が高まっている」と指摘 筆者撮影
巨大化するデータを安定して処理する「水冷方式」と最新アーキテクチャ
近年では、建築設計事務所やゼネコンの設計部門などで、複雑なBIMモデルの操作や高精細なレンダリングといった処理はもはや日常化している。こうした業務をこなすワークステーションに求められるのは、高負荷のタスクを「いかに熱による速度低下を起こさずに完遂できるか」に尽きる。ThinkStation P4は、まさにこうした現場の切実な課題への回答として開発された1台といえる。
最大の特徴は、Lenovoのワークステーションとして初めて水冷式クーラーを選択可能にした点にある。CPUが発する熱を効率的にケース外に放出し、従来の空冷式に比べてケース内全体の温度を低減。SSDやGPU、メモリなどの熱暴走を抑制することが可能になった。
WS & クライアントAI事業部 プロダクトマネージャー 染羽英夫氏は、「高い性能を安定して止まらずにどれだけ使い続けられるかがワークステーションの命題だ。具現化するため、170ワットの高いTDP(熱設計電力)でCPUを効率的に冷やし、安定稼働させる水冷設計を投入した」と説明する。
25度の環境下でCPUを100%負荷で稼働させた検証では、CPU温度を80〜86度に制御し、同時に空冷比で最大約4dBの静音化も達成した。構造解析や複雑なシミュレーションといった重いタスクを処理しながらも、静かな環境で設計業務に集中できる理想的な作業環境が実現する。
ThinkStation P4では、内部アーキテクチャも刷新した。画像やAIの処理性能を左右するGPUには、最新の「NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell」を搭載可能だ。最大256GBのDDR5メモリとPCIe Gen5ストレージの組み合わせにも応じる。そのため、数GBに及ぶ巨大な点群データや都市規模のデジタルツインを扱う際にも、ストレスを感じさせない圧倒的なスループット(時間当たりのデータ処理速度)を発揮するという。
建設業界にとっては、業界標準ともいえるソフトウェアの利用が担保されている点も安心材料だ。ThinkStation P4は、ISV認証(独立系ソフトウェアベンダーによる動作保証)を取得し、AutoCADやRevitといった3DCADやBIMのソフトウェアの安定稼働が保証されている。
将来を見据えた拡張性にも配慮している。ThinkStation P4は、PCIe Gen5スロットや最大1100ワットの電源ユニットをサポート。AIモデルの開発や高度な解析が必要になった際も、ハードウェアの更新のみで対応できる柔軟性を備える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



