大和ハウスと日本ERIの先駆者に学ぶ、「BIM図面審査」の仕組みとデータ審査への壁:BIM確認申請(1/3 ページ)
2026年4月から、建築確認申請にBIMを活用した「BIM図面審査」が始まった。指定確認検査機関の日本ERIと大和ハウス工業は制度開始の8年も前に、20共通データ環境を活用した独自のBIM審査を試行している。その経験を踏まえ両社は、BIM図面審査の意義や2029年のBIMデータ審査に向けた課題を解説した。
大和ハウス工業は、2026年4月からBIM確認申請が開始したことを受け、「BIM図面審査」をテーマに日本ERIのBIM審査担当者を招き勉強会を開催した。登壇したのは、日本ERI BIM推進センター長の関戸有里氏と、大和ハウス工業 技術本部技術戦略部 DX・BIM戦略室 室長の宮内尊彰氏。
建築確認申請の厳格化が生んだ課題
日本ERI BIM推進センター長の関戸有里氏は、BIMによる審査が始まった背景として過去の法改正に触れた。
平成17(2005)年に発生した「姉歯事件」に端を発する2007年の改正建築基準法や2008年の改正建築士法により、確認申請のルールが厳格化。これまで前提としていた建築士の性善説が覆り、記載事項が増加したことで設計者の作図時間や意匠・構造・設備間での整合性確認の項目も増大し、審査側と設計側の双方で負担が増すこととなった。
一級建築士の高齢化も進む中、国土交通省は確認申請の申請効率化と法適正化を実現するべく、建設DXの中核技術と目されるBIMを建築確認申請に導入する方針を打ち出した。BIMは単なる3Dの立体モデルという枠を超え、その中に名称、面積、仕様などの「属性情報」を内包している。2DCADが単なる線分の集まりに過ぎないに対し、BIMは壁や柱、梁(はり)といった情報を持つオブジェクトで構成され、単一かつ一意的な3Dモデルから平面図や立面図、断面図を出力するため、図面間の不整合が基本的に発生しない特長を持つ。
2026年「図面審査」から2029年「データ審査」へ
国土交通省の「建築BIM推進会議」が示すロードマップでは、2026年4月からのBIM図面審査を中間ステップとし、2029年には「BIMデータ審査」がスタートする予定だ。
第一段階となるBIM図面審査の流れは、一定のルール(入出力基準)に従って作成したBIMデータから、PDF図面を出力するとともに、BIMデータを国際基準フォーマットのIFCデータで書き出す。その後、基準に沿っていることを明示する「入出力基準適合誓約書」を準備し、申請/審査用の「確認申請用CDE(Common Data Environment:共通データ環境)」にアップロードして提出する。
審査者はCDE上のBIMビュワーで、IFCデータの形状を参考程度に確認しつつ、実際の審査は従来と同様にPDF形式の申請図書で、形状や位置、数値などが同一か否かを確認する。申請者の誓約書が裏付けとなるため、確認作業の一部を省略できる仕組みだ。
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