竹中工務店、横浜園芸博の建設現場にハイブリッド木造仮設事務所を初適用:木造/木質化
竹中工務店は、2027年に横浜市で開催されるGREEN×EXPO 2027のグループ展示施設建設現場に、神奈川県産木材を活用したハイブリッド木造仮設事務所を初適用した。
竹中工務店は2026年6月16日、木造とS造を組み合わせた「ハイブリッド木造仮設事務所」を開発し、2027年に横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)のグループ展示施設建設現場に初適用したと発表した。
地産地消の取り組みとして神奈川県産の木材を使用。木材利用による環境負荷低減に加え、作業員の快適性向上と就労環境の改善を目指す。
従来の仮設事務所は軽量鉄骨造ユニットのリース品が主流だった。今回開発したハイブリッド木造仮設事務所は、柱や耐震壁などの構造部材に加え、床、天井、外壁にも木材を採用。平屋建てで、延べ床面積は33平方メートル。執務室1室のほか、トイレ、更衣室、倉庫などを備える。 2026年6月8日から運用を開始している。
今回の現場では、製作/リース/運搬/運用/分解/補修/保管までを含めた持続可能な体制の構築をモデルケースとして検証する。
未利用材を活用 使用後は再利用や転用などで資源循環
施設には、開催地である神奈川県の県産材を使用し、丸太の辺材などの未利用材を活用。使用後は他現場での再利用や建築物、家具への転用、バイオマス燃料としての利用など資材循環に取り組む。 DLTパネル/木工事製作は長谷川萬治商店が担当し、再生アルミサッシ「PremiAL R100」はLIXILが提供した。
また、給排水インフラを必要としない水循環型手洗いスタンドを初導入した。インフラの整っていない場所ではポンプ車による給水が一般的だが、水循環型手洗いスタンドは、最初に給水した20リットルの水をAIでモニタリングし、水の浄化と再利用を行う。衛生性の確保と就労環境の改善を図る。
木材には心理的負担軽減や集中力維持に寄与する効果があるとされており、利用者のリラックス効果を見込んでいる。さらにテラスを設けることで、交流や休息、集中作業など多様な働き方に対応する空間構成とした。工事期間中は利用者の行動調査を実施し、木質空間がもたらす効果を検証する。
木造化とZEB Ready相当の性能により、運用時の一次エネルギー消費量を50%削減することを目指す他、木材による炭素固定効果により資材製造から建設、運用、解体、再利用までを含むホールライフカーボンを約50%削減できると想定している。
今後は取り組みを通じて得られた知見を活用し、木造仮設事務所の他現場への展開を進める方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
木造/木質化:システム天井を1マス単位で木質化 パナソニックEWと三菱地所設計が「国産木材格子ルーバー」開発
既存のシステム天井を活用し、オフィスを木質化する新たな試みが始まった。パナソニック エレクトリックワークスと三菱地所設計が共同開発した国産木材格子ルーバーは、画一的になりがちなオフィス空間の意匠性を高めつつ森林資源の循環にも貢献。ホテルや学校などオフィス以外への展開も見据え、2027年以降に工事完了予定の物件に特注対応として提案を進める。
木造/木質化:輪島市に木造モバイル建築の長期滞在施設が完成、東急建設らが宿泊棟20棟など整備
東急建設と向設計の共同事業体は、石川県輪島市の能登空港敷地内に、東急建設が開発した木造モバイル建築を活用した長期滞在施設を整備した。ユニットバスやトイレ、ミニキッチンを備えた宿泊棟20棟や3ユニットを連結させた共用棟を設置している。
ロジスティクス:東京江東区に延べ15万m2の物流施設「DPL東京東雲」竣工、ヤマト最大級の統合型拠点に
大和ハウス工業が東京都江東区で開発を進めていた物流施設「DPL東京東雲」が、2026年4月6日に竣工した。地上6階建て、延べ床面積15万平方メートルの規模で、大和ハウス工業として都内最大級の物流施設となる。施設にはヤマト運輸が入居する。
木造/木質化:横浜新杉田にSE構法採用の5階建て木造ビル、構造見学会を開催
横浜市磯子区で、エヌ・シー・エヌのSE構法を採用した全階木造5階建てビルの建設が進んでいる。同規模のRC造と比較して工期、コストともに2割程度の削減を見込んでいる。
木造/木質化:北海道にCLT利用の木造交番5棟を建設、箱型ユニットで工期短縮 三井ホーム
三井ホーム北海道は、北海道札幌市と恵庭市に、木造交番5棟を建設する。構造体にCLTを利用し、工場で組み立てた箱型ユニットを採用することで、安全性を確保しながら工期を短縮。地元建材の積極的な利用にも取り組む。
木造/木質化:「ドレスウッド」柱が内装制限対応の1.5時間耐火大臣認定を取得
熊谷組は、木材を耐火被覆材として用いた鉄骨柱「ドレスウッド」で、内装制限への対応を想定した1.5時間耐火の国土交通大臣認定を取得した。
