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静岡三島の地場コンが実践する「ベストミックス」の現場DX 本当に使える技術を見極めるには地場ゼネコンのDX(1/4 ページ)

静岡県三島市に本社を置く地場ゼネコン加和太建設では、現場の負担軽減からDXに着手し、現在は全現場で3D設計を展開するなど着実にデジタル技術を組織に根付かせてきた。加和太建設の強みは、複数のシステムを工程ごとに使い分ける「ベストミックス」の思想と、若手目線による「現場で本当に使えるか」の徹底検証、そして伴走型の定着支援だ。現場起点での3D点群データを活用した降雨/運搬シミュレーションは「中部DX大賞」を受賞し、工事成績評定の向上や残業削減の成果を上げている。

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 ICT施工や3Dデータ活用など建設現場のデジタル化、いわゆる“建設DX”が大手ゼネコンを中心に加速している。しかし地方建設業の現場では「予算が限られる」「導入しても定着しない」「IT人材が育たない」といった課題が根強く残る。

 こうした中、静岡県三島市の加和太建設はボトムアップ型の現場DXを推進し、実際に役立つ技術を選び抜きながら組織に根付かせてきた。現場発のDXは国土交通省 中部地方整備局主催の「令和7年度 中部DX大賞」受賞や工事成績優秀企業の認定という形で結実しつつある。

 なぜ、加和太建設では現場でのデジタル活用が定着し、成果につながっているのか。2001年入社、土木一筋25年の現場監督でありながら、社内のICT化を推進してきた土木部 Director 重田一氏に話を聞いた。

 前編では、現場監督の負担軽減から始まったDXのきっかけから、土木を中心とした施工領域への展開、さらには現場で使える技術をどう見極めているのかを紹介し、形骸化しないDXを実現するためのアプローチ方法を解き明かす。

DXは「安全書類の電子化」から始まった


土木部 Director 重田一氏 筆者撮影

 加和太建設は1946年創業、静岡県三島市に本社を構える地場ゼネコンだ。売上高の約8割を占める建設(建築7割/土木3割)事業を主力に、不動産/まちなか開発、施設運営なども手掛ける。

 加和太建設の建設DXは、先端技術の導入から始まったわけではない。まず着手したのは建設事業の成長に伴って増えていた安全書類作成や検査用資料の確認といった、現場監督の負担を軽減する取り組みだった。

 2021年に「業務支援室」を立ち上げ、紙中心だった現場管理業務の電子化を開始。最初に導入したのは、労務/安全衛生管理の書類、いわゆるグリーンファイルをWeb上で作成/管理できるクラウドサービスだ。重田氏は「建設会社にとって一番重要なのは安全。だからこそ、その領域からデジタル化を始めた。従来紙で管理していた書類を電子化することで、作成や提出の手間を大幅に削減できた」と振り返る。

 その後も、現場点検の電子化や各種工程管理/デジタルサイネージの現場導入など周辺業務のデジタル化を推進。取り組みは徐々に施工領域にも拡大し、2023年には「DX推進室」を新設した。さらに2026年4月には、土木現場でのICT活用をより前面に打ち出す形で「ICT推進グループ」へ組織変更した。

 現在、ICT推進グループは重田氏を中心とする4人体制で、3D設計データの作成やデジタル技術の選定、伴走型の導入支援で現場を支え、加和太建設の建設DX推進で重要な役割を担っている。


レフィクシア製「LRTK Phone」(左)とPix4D製「viDoc RTK rover」(右)。どちらもスマートフォンに取り付けて測量に使うリアルタイムキネマティック(RTK)端末。使用頻度が高く、取材日も撮影後すぐに現場に持ち出された 筆者撮影

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