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土木技術者が自らアプリを作れる時代へ 「AIコーディング」で加速する土木DX“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(40)(1/2 ページ)

自然言語でプログラムを作成する「AIコーディング」が土木業界にも波及してきている。内閣府のSIPプロジェクトでは橋梁の3Dモデル生成や損傷管理に適用され、現場ではスマホ写真の自動地図マッピングなど、技術者自らが業務アプリを試作する動きが進んでいる。

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自然言語でプログラミングが組める「AIコーディング」

 AIを使ってプログラミングを支援する「AIコーディング」※1が大きな話題を呼んでいます。

 最近では、感覚的にリズムよくコードを仕上げていくニュアンスの「バイブコーディング」※2という言葉も、自然言語の指示でプログラムが作れるので、よく耳にします。影響力のあるソフトウェアエンジニアのスティーブ・エッゲ(Steve Yegge)氏は、「チャット指向プログラミング(Chat Oriented Programming:CHOP)」と呼称しています。AIコーディングの普及により、プログラミングのハードルはかつてなく下がり、誰もが気軽にアプリケーションやシステムを開発できる時代が到来しつつあります。

※1 雨輝ITラボ(リーフレイン)「AIコーディングとは? メリット・デメリット、活用例を分かりやすく解説」『@IT』2025年8月21日

※2 一色政彦「AI・機械学習の用語辞典:バイブコーディング(Vibe coding)とは?」『@IT』2025年9月26日公開、2026年2月15日更新

連載バックナンバー:

“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト

本連載では、土木学会 構造工学でのAI活用に関する研究小委員会で副委員長を務める阿部雅人氏が、AIと土木の最新研究をもとに、今後の課題や将来像について考えていきます。

 プログラムコードを構文などに基づき、ルールベースで補完する機能は、以前からエディターなどで実装されていましたが、あくまで人間のプログラミングを補助するものでした。

 機械学習の発展に伴い、大量のコードを学習して、書いているコードの次を予測できるようになりました。さらにChatGPTなどの大規模言語モデル(LLM)の登場によって、急速な進歩が訪れ、自然言語の指示からコードを生成することも可能です。今ではチャットで相談しながらコードを書いたり、チェックしたりすることが当たり前になり、エージェント化によって半自動のアプリ開発すらも実現しつつあります。

 AIがプログラミングを助けるというよりは、AIによるコードの生成や修正のサイクルに人間が加わる“Human in the loop(HITL)”※3の形態に移行してきているといえるでしょう。AIコーディングは、「コードを書く作業」はAIへ、「考える仕事」は人間へという役割分担の方向で、ますます進化しています。

※3 一色政彦「AI・機械学習の用語辞典:ヒューマン・イン・ザ・ループ(HITL :Human-in-the-Loop)とは?」『@IT』2022年3月10日公開、2026年2月11日更新

 そのため、プロフェッショナルなソフトウェアエンジニアの生産性は飛躍的に高まり、より効率的かつより高度なシステム開発が可能になっています。一方でプログラミングの知識のない人にとっても、普通の言葉で自分のアイデアを試せるようになりました。

内閣府 SIPのAIコーディング活用事例

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「スマートインフラマネジメントシステムの構築(PD:東北大学 教授 久田真氏)」※4では、先進的なAI技術のインフラマネジメントへの導入が研究されており、「Claude Code」などのAIコーディングエージェントが利用されています。

※4 国立研究開発法人土木研究所「スマートインフラマネジメントシステムの構築」

 SIPのサブ課題D「スマートインフラマネジメントシステムの構築(研究開発責任者:東京大学 教授 本田利器氏)」※5の1つでは、360度画像を利用した点検支援システムの研究開発が進められています※6。AIコーディングを利用することで、下図のように360度画像上に点検調書や設計図書とリンクさせたり、過去の点検結果の損傷と自動比較したり、機能を柔軟に追加して試行できます。

※5 国立研究開発法人土木研究所「課題名:D:サイバー・フィジカル空間を融合するインフラデータベースの共通基盤の構築と活用」

※6 「360度カメラ画像を活用したインフラ構造物の点検情報管理システムの構築」山根達郎,陳瑜,久保栞,浅野和香奈,片山直道,岩城一郎,全邦釘/AI・データサイエンス論文集6巻1号p340-348/「科学技術情報発信・流通総合システム(J-STAGE)」/2025年

360度画像基盤への機能拡張の例
360度画像基盤への機能拡張の例 提供:東京大学 特任教授 全邦釘氏

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