太径横筋の配置作業を省人化、鉄筋工4割削減 鹿島建設が「Bar Crawler」開発:製品動向
鹿島建設、丸井産業など4社は、太径鉄筋の配置作業を省人化する装置を開発した。積層スペーサを用いて横筋を効率的に配置し、実証では人員を約4割削減するとともに安全性向上と作業効率化を実現した。
鹿島建設と丸井産業は2026年4月23日、美保鉄筋、原商と共同で、重量のある太径の横筋を所定位置に配置する装置「Bar Crawler(バークローラ)」を開発したと発表した。
実証実験では従来工法と比べて横筋配置に要する鉄筋工を約4割削減し、配筋作業の省力化で現場の安全性と生産性の向上につながることを確認した。
太径鉄筋の配置作業では、生産性向上を目的に、事前にパネル状に組み立てた鉄筋を一括架設するプレファブ工法が活用されている。一方、構造物の端部など入り組んだ箇所では適用が難しく、現地で人力による配筋作業が必要だ。
Bar Crawlerは、足場最上段でクレーンから荷受けした横筋を鉄筋工が積層スペーサに載せ替え、そのまま降下させることで配筋が完了する。鉄筋架台の設置が不要になり、複数本の横筋を一度に複数段にわたり配置することも可能だ。
プレファブ化が困難なL型鉄筋などを用いる構造物端部の配筋にも対応し、鉄筋継手の位置変更など仕様を変えることなく施工できる。離れた安全な場所からスマートフォンで操作可能だ。
積層スペーサが鉄筋架台の代替となることで準備作業の工程が簡素化できる他、頭上制限のない足場最上段で重量のある横筋を安定した姿勢で取り扱えるため安全性が向上する。さらに、横筋配置に要する人員の削減によって技能者の身体的負担を軽減し、横筋の揚重作業量の低減によりクレーンを他の作業へ転用できるため、現場全体の作業効率の向上にも寄与する。
Bar Crawlerはすでに東北電力の躯体構築工事に導入された。鹿島建設らは今後、装置の建設現場への普及展開を進める。
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