ドローンポート活用、鉄道変電所の設備巡視点検を自動化 JR東海などが検証:ドローン
スカイピーク、JR東海、KDDIスマートドローンは、ドローンポート「Skydio Dock for X10」を活用した鉄道変電所の自動巡視点検の実証実験を行った。
スカイピークは2026年4月3日、JR東海、KDDIスマートドローンと共同で、JR東海「春日井変電所」でドローンポート「Skydio Dock for X10」を用いた自動巡視点検の実証実験を行い、その有効性を確認したと発表した。鉄道の変電所における設備の巡回業務を、ドローンポートを活用した遠隔運航/自動航行によって効率化し、保守業務の高度化を図る。
実証実験は2026年1月29日、変電所構内の設備巡視点検を対象に実施した。
変電所では設備の老朽化と人手不足を背景に、巡視点検業務の効率化が求められている。鉄道変電所は沿線に広く点在し、現地への移動に多大な時間を要することが課題となっており、ドローンポートと通信ネットワークを組み合わせて現地に操縦者を配置せず離着陸から飛行、撮影までを自動で行う遠隔運航の活用が期待されている。
一方で、鉄道変電所は列車走行に伴う電流の変化で磁界の変化が大きくなる特有の環境にある。また、実運用に向けてはドローンの安定飛行といった技術面に加え、運用方法、関係法令の理解など実務的な課題もあった。
今回の実証では、こうした条件を踏まえながら、遠隔かつ自動航行を前提とした、巡視点検の効率化と実装に向けた検証を行った。
実証の結果、鉄道変電所構内の環境下でも安定した自動運航が可能であること、主要設備や計器類では目視点検の代替を見据えた撮影ができることを確認。加えて、遠隔運航時の運用方法の検討、関係者との調整、飛行申請や関連法規制の整理も進め、技術検証に加えて実運用を想定した検討を行った。
実施体制では、スカイピークがプロジェクト統括、運用方法の検討、機材提供、運航業務を担当した。JR東海は実証実験の計画策定、フィールド提供、運用方法の検討を担い、KDDIスマートドローンは機材提供と運航業務を担当した。
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