道路構造物向け「点検支援技術性能カタログ」に54技術追加 検索サイトも公開:スマートメンテナンス
国土交通省は、道路構造物の点検に活用できる技術をまとめた「点検支援技術性能カタログ」に新たに54技術を追加した。また、点検支援技術性能カタログの検索サイトを新たに作成し、橋梁/トンネル分野を対象に先行公開した。
国土交通省は2026年4月1日、道路構造物の点検に活用できる技術をまとめた「点検支援技術性能カタログ」に、橋梁(きょうりょう)/トンネル/土工/舗装の点検と、道路巡視分野の計54技術を追加したと発表した。累計掲載技術数は計407技術となった。また、点検支援技術性能カタログの検索サイトを新たに作成し、橋梁/トンネル分野を対象に先行公開した。
橋梁分野では水陸両用狭あい部点検ロボットやドローンを活用した新技術が掲載
橋梁分野では、狭い空間や水があって進入困難な箇所に対応できる水陸両用の狭あい部点検ロボットによる画像計測技術を新たに掲載。また、ドローン搭載の赤外線カメラ画像を解析して舗装表面温度から床版劣化を検知する非破壊検査技術、マルチビームとLiDARを組み合わせた複合計測により橋脚部の洗掘状況を測定する計測/モニタリング技術など20技術と、トンネルなどと共通の1技術を追加した。
トンネル分野では、手押し式台車型の覆工画像撮影システムにより半断面分の覆工画像を同時撮影する技術の他、レーザーにより覆工内部のうきを検出する技術など7技術を追加。計測機器を搭載した車両でトンネル内を走行してデータを取得し、3D画像や点群データなどを表示する技術も新たに加わった。
土工分野では、吹付のり面の点検に活用できる技術として、自律型ドローンと画像解析技術を組み合わせた点検支援技術の他、動的貫入試験と弾性波探査試験を組み合わせた老朽化診断技術など4技術を追加した。
舗装分野では、ひび割れ率、わだち掘れ量、IRI(走行時の乗り心地の指標)を判定する技術を新たに15技術追加した。
道路巡視分野では、ポットホールの位置特定や区画線の摩耗判定、建築限界の超過、標識隠れを検出する技術を新たに7技術追加している。
検索サイトを新たに作成 橋梁/トンネル分野を対象に先行公開
従来の点検支援技術性能カタログはExcel形式で、利用者が一覧から目的の技術を探す必要があり、検索に時間と手間を要していた。国交省は検索サイトを新たに作成し、橋梁/トンネル分野を対象に先行公開した。フリーワード検索に加えて橋種や部位/部材、損傷の種類などの条件による絞り込みが可能で、各技術の概要の比較や基本諸元、性能などを把握できる。
点検支援技術性能カタログは、国交省が定めた標準項目に対する性能値を開発者に求め、国管理施設などでの検証結果をカタログ形式で整理したもの。今回の追加で掲載数は、橋梁/トンネル/土工分野で画像計測141技術、非破壊検査75技術、計測/モニタリング99技術、データ収集/通信5技術に、舗装分野で55技術、道路巡視分野で32技術となった。
直轄国道の点検では、2022年度から橋梁とトンネル、2023年度から舗装、2025年度から道路巡視を含めた直轄国道の点検について、特定の項目で点検支援技術の活用が原則化されている。国交省は今後もカタログの周知と新技術の活用を進め、点検業務の効率化と品質確保の両立を図るとしている。
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