ArentのRevit向けAIエージェントに新機能、高速モードや寸法ツール実装:BIM
Arentは、Autodesk Revit上で利用できるAIエージェント「Lightning BIM AI Agent」に、実行速度最大5倍の「高速モード」やチャット指示で寸法を配置する「寸法ツール」などを新たに搭載した。
Arentは2026年3月3日、AutodeskのBIMソフトウェア「Autodesk Revit」上で動作するAIエージェント「Lightning BIM AI Agent」を大型アップデートし、実行速度を最大5倍に高める「高速モード」やチャット指示で図面内に寸法を自動配置する「寸法ツール」などの新機能を実装した。BIM実務の定型業務自動化をより強力に支援する。
アップデートでは「モード選択機能」を搭載し、ユーザーの指示内容や状況に応じて「高速モード」と「プランモード」の2つの実行モードを選べるようにした。
高速モードは、定型作業や決まった手順を指示する際、従来の5倍以上の速度で操作を実行する。1回当たりの消費クレジットは10クレジットと従来の10分の1に抑え、より軽快な連続利用を可能とする。プランモードでは、AIが実行前に操作計画を作成し、ユーザーが内容を確認した後に実行する。複雑な指示やAIと検討プロセスを共有しながら進める作業に適している。消費クレジットは1回100クレジット。また、一度実行した操作を履歴から再実行する場合、1クレジットのみで処理可能とした。
従来はモードを問わずに月間最大200回までの利用制限があったが、用途に応じたクレジット消費の最適化により、月間の利用最大回数が増加する。
今回のアップデートでは、内部ロジックを刷新し、AIがユーザーの指示をRevitの操作へ変換する精度を高めた。Arentによる社内検証では、適切なプロンプトを入力した場合、従来は正確に実行できなかった操作も含め、7割以上のユースケースで正確に完遂できるようになったとしている。
また、新機能として「寸法ツール」を実装し、チャット指示による図面の自動生成に対応した。ユーザーが「選択した壁の間に寸法を入れて」などの指示を入力すると、AIが適切な参照点を抽出し、寸法線を配置する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(38):都市の3D化とAI連携で進化するGIS【土木×AI第38回】
建設業界では、現実の工事現場などを仮想空間に再現する“デジタルツイン”が浸透しつつあります。その基盤となるデータの1つが「地理情報」です。1970年代に国土地理院がコンピュータの地図=GISを導入した後、阪神・淡路大震災の復旧活動で有効性が認識されたことを機に急速な発展を遂げました。現在では、国交省が整備した3D都市モデルのオープンデータ「PLATEAU」に準じ、地方自治体でも3Dモデル化が進み、都市計画をはじめ、防災、観光、モビリティーなど、もはや社会インフラツールとして分野を超えた利活用が始まっています。
Graphisoft IGNITE Japan 2025:生成AIで設計BIMに革新! “BIM確認申請”時代の「Archicad」最新版を徹底解剖
グラフィソフトジャパンはBIMソフトウェア「Archicad」の最新版をリリースし、オンラインイベント「Graphisoft IGNITE Japan 2025」を開催した。2026年4月から始まる「BIM図面審査」への対応、設計者のパートナーとなる生成AI「AI Assistant」、設備設計ツール「MEP Designer」などの新機能を紹介。ユーザーの声を反映したUI改善や他社ソフトとの連携強化もアピールし、設計BIMをけん引する姿勢を示した。
BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(11):なぜ「維持管理BIM」が定着しないのか BIM×クラウドと“業務フロー”視点の導入術【BIM×FM第11回】
本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。本稿では、総合不動産管理クラウド「@property」を提供するプロパティデータバンクが、東京オペラシティビルと取り組んだ事例などを交え、維持管理にBIMを活用する手法や得られた成果などを解説します。
第10回 JAPAN BUILD TOKYO:建設DXの「最初の一手」をどう始める? HEROZが示す設計に特化したAIサービス
生成AIのビジネス領域での浸透が進む一方、建設現場では「どこから着手し、どう業務に組み込むか」を描けずに踏み出せない人も多い。HEROZは建設DX展で、建設領域のコア業務に特化したAI技術と法人向け生成AI SaaS「HEROZ ASK」を紹介した。建設AI活用をPoCで終わらせないためにHEROZが課題にどう向き合い、現場の「最初の一手」をどう形にしているかをブース取材から探った。
BIM:BIMモデルを解析用途に合わせて最適化、天空率/日影計算向けなど 西松建設とWOGOが共同開発
西松建設とWOGOは、解析シミュレーションの用途に応じてBIMモデルの形状データを最適化するツールを開発した。
第7回 国際 建設・測量展:立命館大・建山教授「人材難の今こそ求められる建設ICT」 ゼネコンや市町の成功例
急激な人口減少を背景に、建設業界は深刻な人手不足に陥っている。課題解決のために、国土交通省が2016年から進めている「i-Construction」をはじめ、国全体で建設業界の省人化を後押ししている。そうした中、建設施工や建設マネジメントの専門家として知られる立命館大学 教授の建山和由氏は、デジタル技術の活用で業務効率化を実現したゼネコンや自治体のユースケースを示し、人材難の今だからこそ求められる建設ICTの重要性を説いた。


