生成AIで設計BIMに革新! “BIM確認申請”時代の「Archicad」最新版を徹底解剖:Graphisoft IGNITE Japan 2025(1/4 ページ)
グラフィソフトジャパンはBIMソフトウェア「Archicad」の最新版をリリースし、オンラインイベント「Graphisoft IGNITE Japan 2025」を開催した。2026年4月から始まる「BIM図面審査」への対応、設計者のパートナーとなる生成AI「AI Assistant」、設備設計ツール「MEP Designer」などの新機能を紹介。ユーザーの声を反映したUI改善や他社ソフトとの連携強化もアピールし、設計BIMをけん引する姿勢を示した。
ハンガリーブダペストに本社を構えるGraphisoftは2025年10月、BIMソフトウェア「Archicad(アーキキャド)」の最新版Ver.29をリリースし、日本法人のグラフィソフトジャパンも日本語版の提供を開始した。日本語版の発売に併せ、オンラインイベント「Graphisoft IGNITE Japan 2025」を開催し、1000人以上の視聴者を集めた。
イベントでは、「Archicad 29」新機能のライブデモをはじめ、Archicadユーザーのゲスト講演などを通し、2026年4月からスタートする「BIM図面審査」や建築設計業務での生成AIの可能性などを深掘りした。本稿では、イベントのメインプログラムに当たる「プレゼンテーション」と「日本語デモンストレーション」を中心に、Archicad 29が建築設計業務にどのような革新をもたらすかに迫る。
40年以上の歴史を持つArchicad、生成AI導入で建築業務の変革に期待
イベント冒頭、Graphisoft CEOのダニエル・チラグ(Daniel Csillag)氏は特別ビデオメッセージで、「日本には多くの建築家が活躍しており、私たちに大きなインスピレーションを与えてくれるとともに、大きな市場の1つと捉えている。新製品のArchicad 29では、創業当初から培ってきたBIMの知見を生かし、パフォーマンス、コラボレーション、デザインの自由度を高めた新たな機能を搭載した」とPRした。
Archicadは、1984年に開発された世界で最も長い歴史を持つ建設業界向けのBIMソフトウェア。数あるBIMソフトの中でも、建築設計業務での直感的な操作性を強みとしており、日本でも1994年に提供を開始して以来、建築設計事務所を中心に多くのユーザーを抱える。
グラフィソフトジャパン 代表取締役社長 トロム・ペーテル(Trom Peter)氏によれば、Graphisoftは共通理念として、「全ての人に最適なサービスと働きやすさを提供することを意味する“BEST DESIGN EXPERIENCE(ベストデザインエクスペリエンス)”を掲げる。その理念に基づき、製品リリース後も利用者からのフィードバックを積極的に集め、機能拡充に努めている。近年、建設業が特に重視しているのが、時間/コスト/品質のコントロールだ。人材不足による生産性向上、サステナビリティーへの意識拡大、企業間のコラボレーション増加、行政によるDX推進など、さまざまな要因が建設業界を取り巻いており、その解決策としてBIMの需要が拡大している」という。
建築業界で目下の話題となっているのが、2026年4月から始まる「BIM図面審査」だ。国土交通省が進めるBIMを用いた建築確認申請の新たな電子管理方式で、建築設計事務所やゼネコンの建築士は、BIMで作成したPDF形式の申請図書を提出することが求められるため、早急な対応に追われている。
トロム氏は、「そうしたトレンドにも対応し、ユーザー目線のBIM設計支援を実現しているのがArchicad 29。BIMの開発に40年以上携わっている中でも、最も大きな“イノベーション”が起きると確信している」と期待を寄せる。その一環でこれまでユーザーから要望が多く、永久ライセンスと比べて導入ハードルが低いサブスクリプションへ、2026年から完全移行することも明かした。
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