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建設現場データの統合/活用基盤「Connectix Build」開発へ、トランスコスモスとArent製品動向

トランスコスモスとArentは、建設現場で発生する膨大なデータを自動で統合/蓄積し、企業の資産として活用可能にするサービスプラットフォーム「Connectix Build」を共同開発する。

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 トランスコスモスとArentは2025年11月13日、建設現場で日々発生する膨大なデータを自動で統合/蓄積し、企業の資産として活用可能にするサービスプラットフォーム「Connectix Build」を共同開発すると発表した。


Connectix Buildの概念図 出典:Arentプレスリリース

 建設業界ではBIM/CIMやAIなどのデジタルツールの導入やAIソリューションの活用が進みつつあるが、想定した効果が得られていないという声も聞かれる。トランスコスモスとArentは、要因の1つにデータの分断があると考え、データを「つなぐ」というコンセプトのもと、ツール/データ/作業/関係者を有機的に連携させる新たなサービスプラットフォーム「Connectix Build」を開発する。

 サービスは、トランスコスモスが40年以上にわたり建設業界で提供してきたサービス基盤やデータ活用ノウハウと、ArentのAIを含む技術によるプロダクト開発を融合したもの。業界知見と技術の組み合わせによってツール導入やデータ活用を加速させ、生産性の向上や技術継承の課題に対応する。

 Connectix Buildは、「プロセスをつなぐ(機能連携)」「データをつなぐ(蓄積、活用)」「生きたナレッジベース:属人化したノウハウを組織の資産へ」という3つのコアバリューを掲げる。

 ArentのAIクラウド工程管理システム「PROCOLLA」やBIM業務支援ソフト「Lightning BIMシリーズ」などの各種製品に加え、ユーザーが既に利用中のツールともAPIで連携。手動によるデータ転記やインポート/エクスポート作業を不要にし、一貫性のあるデータフローを構築。既存のIT投資の価値を最大限に引き出す戦略的アプローチを提供する。

 収集データは各社専用のプラットフォームを整備。分断された業務プロセスを1つのワークフローとして再定義してプロセス変革を実現する。定型的な報告書作成の自動化、設計変更情報の即時共有、検査記録と写真の自動紐付けなどを通じて、業務全体の効率化を図る。反復的な作業はAIが処理し、人間の専門的判断を要する業務やデータチェックは専門チームが対応することで、現場担当者の負担を軽減し、生産性向上を目指す。

 さらに、業務データを活用して熟練技術者の判断基準や思考プロセスを可視化。過去事例の参照を可能とすることで、技術継承を支援する。加えて、データに基づく標準化やベストプラクティスの確立により、組織全体での品質安定と継続的な改善文化を醸成する。蓄積されたデータに基づきAIが将来のリスクを予測し、次のアクションを提示するなどの支援も可能になるとしている。

 トランスコスモスは、施工領域にとどまらず、企画、設計、調達、維持管理といった建設業務の各領域に向けたDX関連サービスの展開を予定している。

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