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ロボットが天井照明から自己位置を特定、パナソニック EW社とugoがオフィス検証開始スマートビル(2/3 ページ)

パナソニック エレクトリックワークス社とugoは、スマートビルでのロボット活用を想定し、ビーコン付き照明設備との連携による運用効率化の検証を開始した。照明の位置情報を利用してロボットが自己位置を再認識し、単独で再稼働できる仕組みを構築する。

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天井に設置した照明設備からビーコン信号を受信、現在位置を把握

 今回の検証はパナソニックのオフィスで実施。天井に設置した照明設備からビーコン信号を発信し、ロボットがその信号を受信して絶対位置を把握する。従来のように初期位置へ設置する必要がなく、任意の場所から起動しても信号によって現在位置を把握可能だ。さらに、センサーが周囲の環境を検知して補正し、自己位置とフロアを自動的に推定する。障害物との接触や人による移動で推定位置にずれが生じた場合も、遠隔リセットによって自己位置を再推定し、巡回を再開できる。

 検証では、フロア移動やトラブルによる異常停止時も、稼働エリアの95%以上でロボット単独で再稼働できることを目標に設定した。

 使用する照明は、パナソニックの無線照明制御システム「LiBecoM(リベコム)」を採用。ビーコン信号で得た位置情報を、ビルOS「Facibble(ファシブル)」を介してビル全体の共通マップにひもづける。警備や清掃、点検など異なるメーカーのロボットが同一マップ上で位置を共有し、鉢合わせや停止を防ぐ共通座標系の実現を目指す。

パナソニック エレクトリックワークス社 ソリューションエンジニアリング本部 ソリューション事業統括部 SX事業開発センター 楠田駿氏
パナソニック エレクトリックワークス社 ソリューションエンジニアリング本部 ソリューション事業統括部 SX事業開発センター 楠田駿氏

 照明器具は天井に設置されているため障害物の影響を受けにくく、電池交換も不要だ。さらに後付け導入が容易で既存のビルにも導入しやすいという特徴がある。

 パナソニック エレクトリックワークス社 ソリューションエンジニアリング本部 ソリューション事業統括部 SX事業開発センター 楠田駿氏は「ビーコン付き照明によってビル全体で共通の座標系を持てるようになれば、ロボット同士が衝突せずに協働できる環境が整う。将来には照明にとどまらず、エレベーターやセキュリティゲートなどの設備とも連携し、ビル運営全体の最適化へつなげたい」と話す。


推定位置にずれが生じた場合も遠隔リセットによって自己位置を再推定

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