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「建設業の労働時間、10年で年132時間減」働きやすさを6つの指標で独自調査建設業の人材動向レポート(60)(1/2 ページ)

本連載では、総合人材サービス会社で建設業向けの人材サービスを展開するヒューマンリソシアが、独自に調査した建設業における人材動向を定期レポートとしてお届けする。建設業従事者の人材動向に関する実態を解明し、建設業各社の採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。今回は建設業の「働きやすさ」について、6つの指標で分析する。

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 人材不足が厳しい建設業では、人材確保に向けた働きやすい環境整備が急務となっている。今回は、建設業の「働きやすさ」の実態を把握するため、(1)年間総労働時間、(2)年間総出勤日数、(3)有給休暇取得率、(4)男性の育児休業取得率、(5)変形労働時間制の適用労働者割合、(6)テレワーク導入率の6つの指標について、統計データをもとに最新動向を解説する。

■本レポートの要旨

・直近10年間で年間総労働時間は132時間、年間総出勤日数は16日減少したが、依然として調査産業計を上回り、さらなる改善が必要

・有給休暇取得率は60.7%で、調査産業計(65.3%)との差は縮小直近10年間で20.4ポイント上昇

・男性の育児休業取得率は大きく上昇し、2024年度には35.5%となったが、調査産業計(40.5%)を5.0ポイント下回る

・変形労働時間制の適用労働者の割合は2024年で45.8%と、調査産業計(52.3%)を下回るもののその差は縮小傾向に

・テレワーク導入率は54.2%に達し、調査産業計(47.3%)を上回る

■建設業の総労働時間は直近の10年間で年132時間、総出勤日数も年16日減少

 厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、建設業の年間総労働時間は減少傾向で推移し、直近10年間では132時間減少しており、2014年の2125時間から2024年には1993時間となった(図表1)。調査産業計との差は、2014年の105時間から2024年には47時間に短縮している。

図表1 建設業の年間総労働時間の推移
図表1 建設業の年間総労働時間の推移 ※年間総労働時間は一般労働者の月間平均総労働時間に12を乗じて算出 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」よりヒューマンリソシアが作成

 同じく「毎月勤労統計調査」よると、年間総出勤日数も減少傾向にある。直近10年間で16日減り、2014年の257日から2024年には241日となった。調査産業計との差は、15日から8日に短縮した(図表2)。労働時間、出勤日数ともに改善が進み、調査産業計との差も縮まっていることから、建設業の労働環境の改善は着実に進んでいることが分かる。

図表2 建設業の年間総出勤日数の推移
図表2 建設業の年間総出勤日数の推移 ※年間総出勤日数は一般労働者の月間平均出勤日数に12を乗じて算出 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」よりヒューマンリソシアが作成

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