建設技能者の7割弱、元請けからのポイント支給が「モチベ向上に」と回答:調査アンケート(2/2 ページ)
リバスタは、建設現場運営に関する実態調査の結果を発表した。元請社員に対し、建設技能者のモチベーション向上施策として、インセンティブとなる「ポイント支給」を64.3%が「有効」と回答した。
元請社員の6割強が「ポイント支給」
協力会社の技能者へ感謝や労いの手段は、「缶コーヒーや軽食などの差し入れ」(42.5%)が突出して多かった。その後に「何もしていない」(38.3%)、「タオルなどのノベルティーを贈呈」(17.5%)となった。
元請社員に対し、技能者のモチベーション向上策として「ポイント支給」の有効性を尋ねたところ、6割超が「有効」(64.3%)と回答。期待される効果としては「技能者のモチベーション向上」(58.8%)、「現場の安全意識向上」(41.6%)、「コミュニケーションの活性化」(31.5%)が挙がった。
技能者へインセンティブとしてポイントを支給する場合に、元請会社の社員が技能者へ期待することは、「技能者のモチベーション向上」(58.8%)、「建設現場の安全意識向上」(41.6%)、「コミュニケーションの活性化」(31.5%)の結果となった。
逆に技能者に、自身の仕事や取り組みに対する称賛として、ポイントを支給された場合のモチベーションを聞くと、「非常にそう思う」(20.8%)、「そう思う」(47%)となり、合計67.8%が「そう思う」と回答している。
また、ポイントがもらえる場合に取り組みたい行動では、「施工手順の順守」(35.8%)、「作業効率改善の提案」(31.8%)が多かった。
技能者の頑張りを見える化する仕組みは、現場コミュニケーションにも
リバスタは調査結果を受けて、元請会社/協力会社にとって最も深刻な共通課題は「人手不足」と指摘。「技能者のモチベーション維持/向上」も、全体の半数以上が挙げており、「人にまつわる課題」が上位を占めていると分析する。
そのため、元請会社で働く人の6割強が「有効だと思う」とし、技能者の約7割も「モチベーションの向上につながる」と答えた「元請会社から技能者へ、頑張りを見える化し、インセンティブとしてポイントを支給する」取り組みが解決策になると提案する。さらに、新しい形の現場でのコミュニケーションにもなり、チームワーク強化やモチベーション向上をもたらし、円滑な現場運営が実現するとしている。
リバスタでは、元請会社の裁量で独自のポイントプログラムを簡便に構築できるサービス「ビルダーズポイント」を提供している。安全講習会や清掃活動、ヒヤリハット報告、現場への入場記録など、元請会社が設定したシーンに応じて建設技能者へポイントを付与できる。ポイントの管理や授受は専用アプリ上で誰でも扱える。建設技能者は受け取ったポイントをPayPayマネーライトに交換し、提携サービスや加盟店での決済に使える仕組みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
製品動向:観光特化の音声ガイド「MORPHONE」万博で実用性を証明、8月1日に提供開始
訪日観光客の増加やSNSの発信などを背景に、日本各地の観光資源に新たなスポットライトが当たる機会が増えている。パナソニック エレクトリックワークス社は急増するツーリズム市場向けのリアルタイム音声配信サービス「MORPHONE」の提供を開始した。手持ちスマホで手軽に利用でき、観光産業にとっては観光地の魅力をシームレスに伝えられるツールとして注目が集まっている。BIM:杉孝の「足場BIM」支援サービスが需要増、BIMサポーターを現場に派遣
杉孝は、「足場BIM」を現場で活用してもらうための支援サービスを提供している。2025年上半期には、サービス採用件数が同期比121%に到達し、足場BIMの需要が高まっているという。GIS:生成AIが行き先を提案する「MapFan」の新機能、 “やりたいこと”から直感的に場所探し
地図検索サイト「MapFan」に、「AI行き先提案 β版」が期間限定で公開された。「時間をつぶしたい」などのフリーワードを入力して検索すると、地図データと連携した生成AIが行き先をコメントとリストで提案する。BUILT読者調査レポート:「建設DXはなぜ進まない? 現場DXの実態調査」BUILT独自レポート
BUILT×TechFactoryが2025年2月27日〜5月9日に実施した「建設DXはなぜ進まない? 現場DXの実態調査」の独自レポートを公開します。調査対象はBUILT読者で、有効回答数は162人です。AI:新築/リフォーム業界向けのMEO対策AIツールを販売開始、新大陸
新大陸は、新築およびリフォーム業界向けのMEO対策AIツール「クチコミAI」の販売を開始した。口コミ収集から返信作成、販促施策、分析までをAIで自動化できる。“土木×AI”で起きる建設現場のパラダイムシフト(33):AIが“快/不快”の感情で景観を評価 インフラ整備前の社会調査にAIを活用【土木×AI第33回】
連載第33回は、道路の交通量調査など、インフラ整備前によく実施されている社会調査に、LLMや深層学習などを活用した土木学会の論文を解説します。