「建設と通信の現場に、女性の力を」奥村組とNTTフィールドテクノが女性活躍推進で意見交換:産業動向(1/4 ページ)
女性技術者が現場で輝く時代へ――。通信と建設という異なる業界で共通する課題に向き合いながら、それぞれの現場改善に取り組んできたNTTフィールドテクノと奥村組。両社はこれまでの成果報告と意見を交わす場を設けた。社内制度の整備にとどまらず、風土づくりや現場改革に力を注ぐ姿は、建設業界にとって女性活躍の現場をどう作るか示唆に富む内容となった。
NTT西日本グループのNTTフィールドテクノと、総合建設会社の奥村組は2025年6月16日、大阪府大阪市都島区のNTT西日本研修センタで合同の意見交換会を開催した。テーマは女性活躍推進の取り組み報告と、女性視点の業界を横断した業務改善の在り方だ。
意見交換の場が実現した背景には、2025年大阪・関西万博のNTT西日本パビリオン建設プロジェクトがある。施工を担当したのが奥村組で、両社は互いの現場や企業文化に触れ合う機会を得た。「業種は違っても、現場に立つ者同士、共通の課題や視点があることに気付かされた」と語る関係者の声がきっかけとなり、今回の場を持つ構想が生まれた。
異なる業種でありながら、共通して“現場”を持つ両社。それぞれがどのように現場改善に取り組み、女性技術者が活躍できる環境を整えてきたのか。本稿では、両社が語ったそれぞれの具体的な施策を紹介する。
NTTフィールドテクノの10年続く現場改革「SHINING活動」
NTTフィールドテクノは、西日本30府県で通信インフラの設計・構築・保守を担う、NTT西日本グループの設備部門機能分担会社。通信設備の工事や点検だけでなく、家庭やオフィスを訪問するオンサイト対応、リモート保守、コールセンター業務まで幅広いサービスを提供している。
2016年からは女性活躍推進に注力し、「SHINING(シャイニング)活動」を開始。現場で働く女性技術者の声からスタートし、工具や作業服の改善、生理用品の設置、現場車両の改良など、多角的な改革を進めてきた。
活動の核となるのは、Style(かっこよさ)、Status(自信)、System(制度)の3つのSだ。現場を「かっこいい」と思えるような作業環境づくり、自信と誇りを持って働ける文化の醸成、制度面での支援強化を目標としている。
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