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熱中症リスクを管理者に可視化、通信機能付きウェアラブル機器を導入 西松建設安全衛生

西松建設は2025年6月から、Biodata Bankと共同開発した通信機能付きの熱中症対策ウェアラブルデバイス「Sigfoxカナリア」を全国の自社建設現場へ導入した。

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 西松建設は2025年7月3日、Biodata Bankと共同開発した通信機能付きの熱中症対策ウェアラブルデバイス「Sigfoxカナリア」を、同年6月から全国の自社建設現場へ導入したと発表した。管理者が現場従事者の体調をリアルタイムに把握、監視できるようになり、熱中症の防止に貢献する。


通信機能付き熱中症対策ウェアラブルデバイス「Sigfoxカナリア」利用イメージ 出典:西松建設プレスリリース

 西松建設ではこれまでも作業場でのWBGT値(暑さ指数)の計測管理、熱中症対策ハウスの設置などに加え、既存のウェアラブル機器の活用に取り組んできた。しかし通信機能がないウェアラブル機器は着用者本人にしかアラートを出せず、通信機能付きでもスマートフォン連携や頻繁な充電作業が必要といった運用での課題があった。

 Sigfoxカナリアは、Biodata Bankが2020年から展開する深部体温推定技術を活用した熱中症対策機器「カナリア」に、LPWA(省電力広域)ネットワーク「Sigfox」の通信機能を付加したモデル。両社が2022年から共同開発を進め、2024年夏季には20カ所の施工現場で実証機500台を使用した実証試験を行った。

 着用者の体調変化を管理者がフォローする仕組みを導入したことで、実証では、深部体温由来の熱中症発生件数ゼロを達成。有効性を確認したことから、本格導入に至った。

 Sigfoxカナリアはスマートフォンなどを介さず、Sigfoxネットワークを通じて直接データを送信するため、現場での手間が最小限に抑えられる。低消費電力設計により利用期間中の充電は不要。メーカー保証期間は、1日8時間の作業時間でアラート発報2回の場合3カ月間。機器に記載されたQRコードを読み取ることで、着用者の情報や管理者への通知設定が簡単に行える。

 将来は建設業界以外にも、暑熱環境下の作業がある他業界向けにもSigfoxカナリアの普及を進める考え。

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