竹中工務店、設計BIMツールに情報と形状をマネジメントする「テックタッチ」採用:AI
竹中工務店は、設計BIMツール「設計ポータル」にAI型次世代DAP「テックタッチ」を採用した。設計BIM作業で必要なガイドをノーコードで作成し、ユーザーが操作に迷った際にリアルタイムで自己解決できるようにする。
テックタッチは2025年5月27日、AI型次世代DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)「テックタッチ」が、竹中工務店の設計BIMツール「設計ポータル」に採用されたと発表した。
ノーコードで適切なガイドの作成や表示が可能に
竹中工務店は業界に先駆けてDXを推進し、デジタル技術を活用した高付加価値な事業の実現を目指している。そのDX戦略の中核を担うのが、建物のデジタルデータであるBIMを活用するための設計ポータルだ。
設計ポータルは、顧客の要望に応じた多様な設計案を迅速かつ視覚的に提示し、プロジェクト初期の意思決定を支援するビジネスの根幹を支えるシステム。しかし、多機能であるがゆえに、プロジェクトでの活用を妨げていた。そのため、膨大なマニュアルの作成や更新に取り組みながら、設計ポータルの真価を引き出す方法を模索していた。
竹中工務店は別のシステムに他社DAPを運用していたが、テックタッチの手厚いサポート体制とカスタマーサクセスの姿勢が備わっていることを評価。国内サービスならではの丁寧なサポートと、ノーコードで手軽に適切なガイドの作成や表示ができ、現場主導での運用を可能にすることが導入の決め手となった。
テックタッチは、ユーザーが操作に迷ってもリアルタイムで自己解決するため、既存のマニュアルや教育動画の作成や更新が不要となる。 ユーザーの職能やプロジェクトの進行状況に応じて必要な入力項目を提示し、重要項目の可視化や操作イメージを表示するため、入力ミスや混乱を防ぐ。特に複雑な計算業務や手順が多い業務では、画面を基にしたガイドが作業を支援する。
竹中工務店は、テックタッチの活用を通じて設計ポータルの操作性と利用率を高めるとともに、誰でも正確に設計入力できるように操作ガイドの更新を進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
木造/木質化:大和ハウスが木造の商業施設や事業施設でBIM設計、建材積算や施工シミュレーションも可能に
大和ハウス工業は、商業施設や事業施設などの木造建築物の設計業務でBIM活用を本格的に開始する。BIMツールの連携で木造建築の短時間で高精度な設計環境を構築し、建材の積算や施工シミュレーション、省エネ効果の試算も可能になる。BIM:安藤ハザマ、BIM/CIMモデルをWebブラウザで一元管理できるBox連携のビュワー導入
安藤ハザマは、クラウドストレージのBoxと連携し、BIM/CIMデータを専用デバイスやソフトウェアなしでWebブラウザ上から確認できるビュワーを導入した。BIM:三建設備工業とAutodeskが「戦略的提携に関する覚書」締結 ACCを2026年3月までに全社展開
三建設備工業とAutodeskが「戦略的提携に関する覚書」を締結した。は、三建設備工業は、エンジニアリング分野のデータを一元管理する共通基盤に建設クラウドプラットフォーム「Autodesk Construction Cloud」を採用し、2026年3月までに全社展開する。第6回 建設・測量生産性向上展:i-Construction 2.0の自動化3本柱で必須 設計と施工のCIMをつなぐ標準形式「J-LandXML」
2023年度から小規模を除く全ての公共事業で、BIM/CIM原則適用がスタートして、早2年。徐々にBIM/CIM活用が進み始めている中、いまだに測量〜調査〜設計〜施工〜維持管理の建設プロセスでデータ連携ができていないケースも多い。一般社団法人の「OCF」は、ICT施工で設計CIMと施工CIMをつなぐ標準ファイルフォーマットとして「J-LandXML」の普及を進めている。メンテナンス・レジリエンスTOKYO2024:“使える建設DX”とはBIMを核とする「アプリ連携型」 高砂熱学に実装したArentの提言
Arentは、維持管理でのBIM活用を見据え、BIMモデル作成の自動化/省力化に取り組んでいる。そこで必要となるのが、業務を1つのSaaSで一元管理する業務基盤の「ERP型」から、BIMを“共通言語”として複数のツールと連携させ、全工程でデータを流通させる「アプリ連携型」への転換だ。その実装例としては、高砂熱学工業と共同開発した設計・積算・施工・維持管理に関わる9領域を横断する業務支援プラットフォームがある。SMART BUILDING CONFERENCE 2025:スマートビル社会実装までにサービスロボ、データモデル、専門人材「MSI」が果たす役割
情報処理推進機構とデジタルアーキテクチャ・デザインセンターは2025年3月27日、東京・千代田区でスマートビルの一般社会での普及を目指す「スマートビルディング共創機構」の設立を発表する「SMART BUILDING CONFERENCE 2025」を開催。本稿では、その中からDADC内の「サビロボ(サービスロボット)」「データモデル」「MSI(マスターシステムインテグレーター)」の各アプローチでスマートビル社会実装に向けた活動成果と今後の課題などを発表した。