東急が2025年度鉄道設備に482億円 田奈駅や宮崎台の改修、四足ロボの設備点検など:2025年度建設計画(1/2 ページ)
東急電鉄は、2025年度の鉄道事業設備投資で総額482億円を計上した。桜新町駅や田奈駅、宮崎台駅のリニューアル、たまプラーザ駅付近のトンネルや鶴見川橋梁の老朽化した土木構造物更新に加え、四足歩行ロボットによる電気設備点検や車両検査の高度化や効率化を図る。
東急電鉄は2025年5月14日、2025年度鉄道事業の設備投資計画を発表した。総額は約482億円で、安全・安心への投資を最優先に掲げる。
田園都市線地下5駅と「田奈」駅、「宮崎台」駅で改修工事
駅リニューアルでは、サステナブルな地下駅を目指し、田園都市線地下区間の5駅(「池尻大橋」駅、「三軒茶屋」駅、「駒沢大学」駅、「桜新町」駅、「用賀」駅)のリニューアルプロジェクト「Green UNDER GROUND」を進めている。
第1弾となる駒沢大学駅リニューアル工事は2021年度に着工し、2025年3月に竣工した。第2弾の桜新町駅は2023年5月に着手し、2026年夏頃に完成する。コンセプトは「WITH THE CHERRYBLOSSOMS」とし、人々の暮らしや商店街の活気に寄り添う桜並木のような空間デザインとしている。駒沢大学駅に続き、壁面タイルなどの既存材を活用した計画に加え、空調機も大幅に増強/新設し、駅構内の快適性を向上させる。また、全国初となる全ての構造部材を木材とした地下駅から地上への出入り口を新設。木材の一部には「桜新町ねぶた祭り」などで地域にゆかりのある青森県材を使用する。
また、田園都市線「田奈」駅は築59年を迎え、老朽化したホームやコンコースの内外装を改修中で、2026年春頃に工事が完了する。田園都市線沿線の「まちをつくる魅力」と田奈駅周辺地域の「大らかな自然の魅力」を駅デザインや仕上げ素材で表現する。内装には木材を幅広のパネル状にして使用し、沿線の竹林から取れた竹材も用いる。
田園都市線「宮崎台」駅は、2025年1月からホームやコンコースの内外装と駅前広場のリニューアル工事に着工し、2028年度に供用開始する見通し。宮崎台駅周辺の並木道の心地よさを駅から感じられるように、駅自体が街のリビングのような存在となるために街とのつながりを意識し、街へ開いた駅となることを目指す。
老朽化した土木構造物の維持や更新
鉄道施設や設備の老朽化が進み、大規模な修繕や更新の時期を迎えている。そのため、2024年度から引き続き、「たまプラーザ」駅〜あざみ野駅間のトンネルで補修工事を実施する。2025年度は「江田」駅〜「市が尾」駅間のトンネル工事にも着手する。
築100年を迎える東横線「綱島」駅〜「大倉山」駅間の鶴見川橋梁(きょうりょう)で、前年度に引き続き大規模な塗装改修や補修を継続し、橋梁の安全性や健全性の確保、耐久性の向上に努める。
自然災害対策では、大雨時の土砂災害対策として、線路脇の斜面をコンクリートなどで補強する工事を進める。2025年度は綱島駅〜大倉山駅間で実施する。
浸水対策では、大雨時の各設備や駅構内への浸水を防ぐための工事を推進する。2024年度に引き続き、東横線と田園都市線の電気設備への浸水対策工事を行う。
耐震補強工事は、新たに東横線/目黒線「武蔵小杉」駅、田園都市線「二子新地」駅〜「高津」駅間の高架橋の耐震補強工事を開始する。
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