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社会主義国ベトナムの商習慣に適応、強固なサプライチェーンでパナソニックをサポートする福盛社パナソニック電材事業の重要拠点ベトナム視察(1/2 ページ)

福盛社はベトナムでパナソニック電材製品の拡販を担う商社。1994年にパートナーシップを締結し、ベトナムでのパナソニックの成長を支えてきた。社会主義国のベトナムをよく知るパートナーとして、現地法人のパナソニック エレクトリックワークスベトナム(PEWVN)にとってなくてはならない存在となっている。

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 パナソニック エレクトリックワークスベトナム(PEWVN)は、設立後30年を経てベトナムの地で着実な成長を続けている。それを支えるのがNanoco(ナノコ)グループの販売代理店「福盛社(ふくせいしゃ)」だ。本稿では、PEWVNの活動を販売面で支援する福盛社とベトナムならではの商習慣について紹介する。

 福盛社は、社会主義国のベトナムで33番目の民間企業として、1991年に設立・登録された。PEWVNとのパートナーシップ締結は1994年。その後30年以上に渡り、PEWVN製品のベトナムにおける唯一の代理店としてPEWVNと共に成長を続けている。

 日本のモノづくり企業が海外でビジネス展開する場合、特に重要になるのが現地を知ることだろう。日本製品は高品質で知られているが、海外市場で成功するには、品質だけでなく他にも重要な要素が求められる。特にベトナムのような社会主義国では、資本主義国家の企業が完全に対応するのは難しい。この点、PEWVNは福盛社とタッグを組むことで、ベトナムでの強力な販売体制を得られた。

ベトナム全土で、“ほぼ1日”のデリバリー体制を構築

 現在、Nanocoグループには6つのグループ会社があり、そのうち5社でパナソニックの製品を扱っており、売上高の80%以上がパナソニック製品だ。ベトナムでは、製品の開発や製造をPEWVNが責任を持って担当する。一方で福盛社は販売チャネルの強化に注力し、拡販を支える協力体制を確立している。

 福盛社は、現在ベトナムに21の倉庫や拠点を持つ。全57省と直轄6市をカバーし、ベトナム全土に対してほぼ1日で製品を配送できる体制を実現している。

 前編で紹介したように、PEWVNがベトナムで製造を開始したのは2014年。パナソニックは2012年の時点で工場設立を決意し、同時期に福盛社も倉庫の拡大と販売チャネルの強化に向けて動き始めていた。

 現在までの10年の間に福盛社が構築したサプライチェーンは、他社に勝る強みとなっており、2012年から2017年で3倍を超える販売実績を達成した。直近の2023年時点では、2012年比で5倍近い販売実績となる222億円(1円=166VNDで計算)の売上に至った。

製造と販売の連携で継続的な成長を続ける。福盛社は、南北1800キロのベトナム全土に21の倉庫を持つ
製造と販売の連携で継続的な成長を続ける。福盛社は、南北1800キロのベトナム全土に21の倉庫を持つ 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
nanocoのオフィスがあるビル。6階にはパナソニック製品のショールーム
nanocoのオフィスがあるビル。6階にはパナソニック製品のショールーム 写真は全て筆者撮影
パナソニック製品が並ぶショールーム。安全性はもとより、デザイン性にも優れた製品が並ぶ

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