名鉄名古屋駅が5300億円で延べ52万m2駅ビルに再生 鉄道4線化など2040年代前半に竣工:プロジェクト(1/2 ページ)
名古屋鉄道が5300億円の投資額で計画している「名古屋」駅エリアの再開発計画が、本格始動した。延べ52万平方メートルの2棟から成る駅ビルを建設するとともに、空港行き用のホーム新設など線路4線化にも着手する。2026年2月から名鉄百貨店や名鉄グランドホテルが閉店し、2026年度中に解体工事に着手。2033年度にオフィスやホテルなどが開業し、全体完成は2040年代前半となる見通し。
名古屋鉄道(名鉄)は2025年3月24日、名鉄「名古屋」駅の再開発計画を正式決定した。共同事業者は名鉄、名鉄都市開発、日本生命保険、近畿日本鉄道、近鉄不動産。
工事期間中に約1兆2000億円の経済波及効果
計画では、名鉄分の事業費で約5300億円を投じ、駅直結のオフィスやホテルから成る複合ビル2棟を建設するとともに、中部国際空港へのアクセスを担う唯一の鉄道事業者として、鉄道4線化による「空港アクセスホーム」やバスターミナル整備など他の公共交通機関との連携強化も図る。
また、2034年以降に開業するリニア中央新幹線とのスムーズな乗り換えで相乗効果も狙い、三菱UFJリサーチ&コンサルティングは中部5県への経済波及効果は、工事期間中に約1兆2000億円、完成後には年間約2800億円と試算する。
スケジュールは、名鉄百貨店本店と名鉄グランドホテル、名鉄バスセンターが2026年3月までに営業終了し、2026年度中には既存建物の解体工事に着手。2027年度には新築工事に入り、2033年度にオフィスやホテル、一部商業施設、バスターミナル、鉄道1期工事の2線が完成し、2040年代前半に商業施設の全面開業と鉄道2期工事での4線化の竣工を予定している。
計画地は、JR名古屋駅の南側に位置する名古屋市中村区名駅一丁目2番他で、敷地面積は約3万2700平方メートル。商業、オフィス、ホテル、鉄道駅、バスターミナルが一体となった延べ床面積約52万平方メートルの複合駅ビル2棟を新設する。
2棟は低層部で連結し、名鉄百貨店側の低層階には商業施設、高層階はオフィス。名駅通と太閤通の結節点となる交差点角で2023年3月まで営業していた名鉄レジャックの跡地は、低層にバスターミナルと駐車場、高層はオフィス、その上にホテルを配置する。
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