i-Con2.0に対応する建機の“超”遠隔操縦 ソリトンシステムズが提案:i-Construction 2.0(2/3 ページ)
国交省は2024年にi-Constructionをアップデートし、「施工」「データ連携」「施工管理」の3つのオートメーション化を軸とした「i-Construction 2.0」を発表した。このうち施工のオートメーション化で、独立系ITベンダーのソリトンシステムズは従来の遠隔施工をさらに進化させた建機の“超”遠隔操縦を提案する。
超遠隔で建機操作を可能にするソリトンのソリューション
ソリトンシステムズは、100メートル程度の見通し距離での建機の遠隔操作で多くの実績を持ち、安全かつ効率的に工事を行うためのノウハウを蓄積してきた。今回の講演では、一歩進め、インターネットを介して距離の制限なく建機を遠隔操作する「超遠隔化」のテクノロジーを説明した。
百武氏は、モバイル回線で建機とオペレーターを接続し、遠く離れた場所の建機を操縦するソリトンシステムズの「Zao Cloud(ザオ クラウド)」を用いた技術を紹介。オペレーターは建機に取り付けたカメラの映像を見ながら操縦する。1人のオペレーターだけで、北海道や北陸、九州など異なる地点で稼働する建機を操縦することも可能だ。
超遠隔操縦で核となるのが、ソリトンシステムズが開発した「Zao SDK」と呼ぶ装置だ。Zao SDKは建機に搭載した複数カメラの映像を圧縮して通信し、建機の制御信号も扱う重要なユニットとなる。Zao SDKによるデータ圧縮と複数モデムの活用で、60ミリ秒の超短遅延を実現している。
通信の信頼性と品質を確保するために複数のモバイル回線を使うのも特徴で、“複数”とは異なる通信キャリアの電波を意味する。離れた場所から建機を操作する際、命綱となるのが通信回線だ。操作中に通信が途絶え、建機のコントロールを失うことがあってはならない。ソリトンシステムズの異なる通信キャリアによる複数回線を利用する方法は、制御不能に陥らない手だてとして最善に近い。
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