検索
ニュース

NTTソノリティがBONXを子会社化 NEXCO東日本とセーフィーも資本参加で音声による“現場DX”開発遠隔臨場(1/2 ページ)

現場で働く「デスクレスワーカー」の業務効率化を目的に、音声を軸に現場DXツールを提供するBONXは、以前から製品を共同開発してきたNTTソノリティの子会社となった。両社協業により、NTTの特許技術を活用し、建設現場の騒音下にも対応するコミュニケーションデバイス「BONX Stick」の発売を予定している。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 いつでもどこでも声でつながる現場コミュニケーションのワンストップソリューション「BONX WORK(ボンクス ワーク)」を提供しているBONX、NTTソノリティ、東日本高速道路(NEXCO東日本)、クラウド録画サービスを建設業界に販売するセーフィーの4社は2024年11月、それぞれの持つアセットを結集し、さまざまな現場業務向けのデジタルソリューションの間口を広げ、現場DX事業を加速していくと発表した。

 併せてBONXは、NTTソノリティが株式を過半数取得したことで子会社となった。同時にNEXCO東日本と、セーフィーのCVCセーフィーベンチャーズも新規投資家として参画し、各社が持つ独自技術やノウハウ、多様なアセットで“デスクレスワーカー”の課題解決に向け連携を強化すると合意した。

デスクレスワーカーの課題を音声を軸にした現場DXで解消

 建築土木、医療介護、小売流通、宿泊、飲食などの現場で働く人々=デスクレスワーカーは日本国内だけで4000万人いると言われているが、人手不足の深刻化や現場のひっ迫といった課題が昨今顕在化してきている。さらに2025年には、日本の人口に占める高齢者の割合が30%に近づき、より深刻化することが確実視されている。

 こうした課題を解消する現場DXツールとしてBONXは、音声コミュニケーションを軸に推進してきた。近年、生成AIの登場に伴い音声インタフェースへの期待は高まっており、同僚だけでなくAIとも声で自然にやりとりをしながら現場業務をより効率的に進め、現場労働の付加価値を向上させていくという未来が期待されている。

 その未来をいち早く実現するために、2024年4月からBONXに資本参加しているNTTソノリティは、BONXに追加出資をして子会社化することを決断。国内最大級の研究機関となるNTTの研究所から生まれたNTTソノリティの音響技術と、IT/通信事業者としてのNTTグループの知見をさらに活用して事業を加速することとなった。

4社アライアンスの全体像
4社アライアンスの全体像 出典:BONXプレスリリース

 NEXCO東日本とは、営業延長3943キロに及ぶ高速道路の維持管理や運用を行う中で培ってきたノウハウを活用。屋外や騒音といった現場環境のニーズに合致した製品開発やソリューションの提案につなげていく。

 さらにクラウドカメラ「Safie(セーフィー)」を展開するセーフィーも加わり、「映像=目」と「音声=耳」を融合させ、意思決定に必要な情報をスムーズに取得するソリューションの共同開発にも乗り出す。例えば、建設現場の危険エリア内を映したSafieカメラの映像データと、BONXから取得した現場監督や現場従事者同士の会話データ、ヒヤリハット情報などを紐(ひも)付け、危険予知活動(KY活動)時の安全指導に提示する根拠として活用したり、振り返り時の原因分析に活用したりすることが見込まれる。

BONXとクラウドカメラ「Safie」との音と映像の連携
BONXとクラウドカメラ「Safie」との音と映像の連携 出典:BONXプレスリリース

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る