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オフィスの”ウェルビーイング”を定量評価、BIMを活用し3D空間で改善提案 パナソニックEWWELL(1/2 ページ)

パナソニック エレクトリックワークス社は、ウェルビーイングなオフィスの空間設計と運用を支援する「オフィス診断レポートサービス」を強化した。従業員のウェルビーイングを主観/客観データに基づいて分析し、直感的に理解できる3Dレイアウトによって提示することで、オフィス改修に関する意思決定のスピードアップと円滑化を図る。2024年11月7日、都内で新サービスの説明会を開催した。

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 パナソニック エレクトリックワークス社は2024年11月から、ウェルビーイングなオフィスの空間設計と運用を支援する「オフィス診断レポートサービス」を強化した。従業員のウェルビーイングを主観/客観データに基づいて分析し、直感的に理解できる3Dレイアウトによって提示することで、オフィス改修に関する意思決定のスピードアップと円滑化を図る。

 2025年には、BIMを活用し、ウェルビーイングな空間をスコア化するサービスを開始予定だ。伴走型のコンサルティングによりオフィスの運用改善を長期的に支援することで、2027年度にオフィスコンサルティング関連事業で30億円の売り上げを目指す。

オフィスの課題や実態をアンケートと環境センシングで可視化し、改善ポイントについてレポート
オフィスの課題や実態をアンケートと環境センシングで可視化し、改善ポイントについてレポート 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
オフィス診断レポートサービスの展開予定
オフィス診断レポートサービスの展開予定 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

センサー設置からレポートの提供まで約2カ月で完了

 ウェルビーイングとは、個人が身体的、精神的、社会的に満たされた状態を指す。ウェルビーイングの実現は、生産性やエンゲージメントの向上、人材の確保や定着など経営効果につながるとして、近年、人的資本経営推進の観点からも注目されている。

 オフィス回帰が進む中、従業員の働く環境がより重視される一方、企業ではオフィス改修や移転について、「従業員の不満や会議室の利用実態に関する定量的な根拠が不足している」「図面を読める人が少ないため社内での意思決定に時間がかかる」といった課題に直面している。

 パナソニック エレクトリックワークス社は2020年、パナソニック東京汐留ビルにライブオフィス「worXlab(ワークスラボ)」を開設。ユーザーの声や従業員アンケートを基に改修を重ね、オフィスの課題に対する提案を行ってきた。2022年からは、オフィスの健康度を測る国際的な評価システムである「WELL認証」の取得を支援するコンサルティング事業を開始。WELL認証を策定/運営するIWBIが公認する、国内唯一(2024年10月時点)の居住者アンケート認定調査機関として、オフィスの傾向や課題に関するデータを取得し、空間づくりにの知見を蓄積してきた。

 これらの知見を基にしたオフィス診断レポートサービスでは、IWBI公認のウェルビーイング(オフィス環境や働き方)に関するアンケートと、稼働率/利用傾向/空間情報などの環境センシングにより、オフィスの課題や実態を可視化、分析する。この結果を基に、WELL認証の考え方を取り入れた改善アイデアと実現手段を、BIMを活用した3Dレイアウトイメージに反映させ、レポートとして提供。センサーの設置からレポートの提供まで、約2カ月の短期間で完了するのが特徴だ。

オフィス診断レポートサービスのスケジュールイメージ
オフィス診断レポートサービスのスケジュールイメージ 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
疑似空間上でオフィスを体験できる「VRウォークスルー」のイメージ
疑似空間上でオフィスを体験できる「VRウォークスルー」のイメージ 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

 レポートでは、面積や座席数、落ち着いて個人作業ができるスペースや収納の数、オフィスエリアの利用状況、温熱快適性やCO2濃度など、多様な情報を数値化。さらに、従業員アンケートに基づいてオフィス環境に関する満足度や重要度を可視化し、重要だと感じているが満足度が低い項目を「重点改善ポイント」として提示する。オフィスにおける課題を明確にし、解決に向けた具体的なアクションにつなげる。

 今回のサービス強化では、分析結果を基にした3Dレイアウト提案までセットで提供する。BIMモデルで3Dレイアウトを作成することで、平面の図面だけでは判断が難しいレイアウトや仕上がりのイメージが直感的に理解できるようになる。

環境センシングは、人感センサーを使用した空間稼働分析、スマートフォンアプリとビーコンを使用した位置情報の検出による組織別の利用状況や交流度の可視化、CO2のセンサーなどを活用
人感センサーを使用した空間稼働分析、スマートフォンアプリとビーコンを使用した位置情報の検出による組織別の利用状況や交流度の可視化、CO2センサーによるCO2濃度測定などを実施 筆者撮影

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