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東急コミュニティー技術研修センター「NOTIA」を舞台としたBIM-FMプラットフォーム構築【BIM×FM第4回】BIM×FMで本格化する建設生産プロセス変革(4)(2/3 ページ)

本連載では、FMとデジタル情報に軸足を置き、建物/施設の運営や維持管理分野でのデジタル情報の活用について、JFMAの「BIM・FM研究部会」に所属する部会員が交代で執筆していく。今回は、東急コミュニティーで建物管理技術全般の研究/開発に携わってきた筆者が、技術研修センター「NOTIA」を舞台に2度にわたり挑戦したBIMをFM領域で2次活用し、BIM-FMプラットフォームを構築する試みを紹介する。

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技術研修センター「NOTIA」を舞台とした維持管理・運用でのBIMの活用

 2015年には、東京都目黒区上目黒の自社研修センターが、現在の東急コミュニティー技術研修センター「NOTIA(ノティア)」へ建て替えするプロジェクトが立案された。建物は自社建築であり、建築計画の立場上は施主だったため、プロジェクトチームはAM・FM機能を有していた。

 建築計画には6つの建築コンセプトが用意され、そのうちの3つのコンセプトは「最良の研修環境」=ICT設備の充実、「創造の場」=実証実験用通信インフラの用意、「企業として目指すこと」=省エネルギー施策とメンテンナンスコスト低減だった。

東急コミュニティー技術研修センター「NOTIA」
東急コミュニティー技術研修センター「NOTIA」 筆者提供

 筆者は、プロジェクトチームの一員として2017年よりゼネコンとの設計定例会議に参加したが、特に最良の研修設備のテーマでは、デジタルデータ活用(維持管理・運用BIMモデルの構築、BIMデータの2次活用)、「企業として目指すこと」では省エネルギー施策(NealyZEB)に取り組んだ。最終的な建築計画の性能検証として、清水建設、芝浦工業大学とNOTIA建築設備に対する「共同研究事業」にも参加した。

 維持管理・運用BIMモデルの構築とデータ2次活用については反省すべき点も多かった。まずプロジェクト予算の作成時期(2015年)に筆者が建築計画策定に加われなかったため、BIMに関する予算策定が不明確になった。また、当時の設計定例会議にはBIMマネジャーのような存在がなくスケジュール管理にも遅れが生じた。これらの事象を含め発注者側の要求事項であるEIR(発注者情報要件:Employer’s Information Requirements)も明文化できなかった。

 一方、建築計画上では、BIMモデルをFM業務で活用するため下記の活用シーンが検討されたが、実際には建築関係者における合意形成にBIMビュワーが使用された程度だった。

 1.管理帳票から設備機器を竣工BIMで検索し、状況の確認を行う

 2.BIMデータを使って、設備機器の位置やメーカー、型番などの情報を確認する

 3.環境シミュレーション、警備連動、清掃ロボット連動を模索する

機器台帳イメージ
機器台帳イメージ 筆者提供
管理台帳からの検索イメージ
管理台帳からの検索イメージ 筆者提供
Rebroビュワーで見たNOTIAの竣工BIMモデル
Rebroビュワーで見たNOTIAの竣工BIMモデル 筆者提供

 NOTIAのプロジェクトでBIMモデル2次活用は完全燃焼とはいえなかったが、筆者はその間も日本ファシリティマネジメント協会のBIM-FM研究部会などで研鑽(けんさん)し、BIMとの関係を継続していた。

 2019年のNOTIA竣工から2年が経過し、BIMモデル2次活用のチャンスは2021年に再び訪れた。

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