賃貸管理の「退去立会」と「原状回復」を“丸投げ可” IT化の不足を補うイタンジの代行サービス:不動産テック(2/3 ページ)
イタンジは、2023年1月から賃貸物件の退去時に発生する原状回復工事の発注や管理を行う「内装工事くんおまかせプラン」を提供している。内装工事くんおまかせプランは、「内装工事くん」のサービス内容を拡充し、退去立会いや工事手配、案件管理などの業務サイクル全体をパッケージ化して、物件管理会社の負荷を大幅に削減する不動産テックとして注目を集めている。
退去後の各種業務をイタンジに“丸投げ”
新しく追加したおまかせプランは、内装工事くんで管理会社がその都度、確認していた工事会社の情報から、工事内容の指示、見積書や報告書の差し戻し、品質管理まで、業者とのやりとりをイタンジが代わりに行う。代行の中には、入居者との連絡や退去の立会い※、家主との連絡も含む。そのため、管理会社は退去後の各種業務を“丸投げ”できる。
※退去の立会いは、原状回復工事を行う施工会社が担当
特に、転勤や進学で、賃貸物件の入退去が集中する年度末には心強い助っ人となる。繁忙期は、現場に赴く必要がある退去立会の予定が立てにくく、施工会社のスケジュールを確保できずトラブルになることが多い。
内装工事くんでは、管理会社が工事会社を指定する必要があった。管理会社がこれまで付き合いのある工事会社から選ぶことになるが、忙しい時期は必然的に工事もバッティングするので、作業員の手配や設備の発注などが進まず、次の入居者の募集や引っ越しが遅れる危険性もある。
おまかせプランでは、イタンジのカスタマーサクセスがシステム入力や工事指示、管理、受発注業務などを代わりにやってくれる。さらに、イタンジ側で、工事内容に対して価格が適正か否かもチェックする。
イタンジ 経営企画 マネージャー 石見氏は、おまかせプランのメリットを「施工管理の手間が減り、価格も適正化する。管理会社の業務プロセスをデジタルに置き換えるだけではなく、イタンジの保有するオペレーションを活用することで、管理会社の要望と、工事会社の強みや特徴を最適に管理できる。イタンジを介したリアルなやりとりを組み合わせ、IT化だけでは解決できない課題も解消されるはず」と話す。イタンジがシステムを介したデータの入力や修正など面倒な部分は代わりに担うため、不動産業界でまだまだ多いITが苦手な人でも、支障なくサービスを利用できるのも特長となっている。
現在、内装工事くんおまかせプランには、約50社の施工会社が登録し、各社との継続したコミュニケーションで信頼関係が築けているという。
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