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パナソニックがインターフォンを利用した広告事業を開始、新築大規模マンション向けに展開スマート化(1/2 ページ)

パナソニック エレクトリックワークス社は、マンションのインターフォンで地域情報を配信する広告事業「まちベル」を開始し、新築大規模タワーマンション向けに展開する。2030年に全国展開100エリアでの導入により、売上16億円を目指す。

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 パナソニック エレクトリックワークス社は2024年4月15日、マンションのインターフォンを利用して地域情報を配信する広告事業「まちベル」の提供を開始したと発表した。まずは多摩エリアからサービスを開始し、順次、首都圏エリアの新築大規模タワーマンションにも拡大していく。立ち上げ3年で成功モデルを創出し、全国展開を図る計画で、2030年に全国100エリアでの導入により、売上16億円を目指す。

まちベルの利用イメージ
まちベルの利用イメージ 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

インターフォンを利用した新たなメディアサービスを開始

サービスクリエーションセンター 所長 川勝正晴氏
パナソニック エレクトリックワークス社 サービスクリエーションセンター 所長 川勝正晴氏 筆者撮影

 まちベルが利用できるインターフォンは、パナソニック製のマンションインターフォン「Clouge(クラウジュ)」シリーズだ。7インチの液晶画面と、ブラウザ機能を搭載している。

 2024年4月15日に都内で開催したまちベルの説明会で、パナソニック エレクトリックワークス社のサービスクリエーションセンター 所長 川勝正晴氏は、「サービスクリエーションセンターは、電機メーカーであるパナソニックがサービス事業を開始するため、2020年に立ち上げた組織だ。2022年10月には第1弾のサービス事業として、インターフォンやモバイル端末を通じて住人と管理人をつなぐマンション管理IoT化サービス『モバカン』を開始し、今回、第2弾のまちベルを立ち上げた。住宅内でもリビングなどの目立つ場所に設置されているインターフォンをインターネットに接続し、新たなメディアサービスにチャレンジする」と語る。まちベルのコンセプトには「まちのステキとつながると、まちがもっとスキになる」を掲げ、ローカルに特化したメディアとして運営していく方針だ。

インターフォンを使用するメリットとは

 従来、地域の飲食店やスーパーマーケットなどが地域住民にPRする手段は、新聞の折り込み広告やチラシのポスティングが主流だった。しかし新聞購読者数の低下や、ポスティングを禁止するマンションの増加などにより、地域住民へ直接訴求する手段が減少しつつある。一方で、個人のスマートフォン端末へ無作為に届く膨大な情報に疲弊する個人も多い。そこで、パナソニック エレクトリックワークス社は、マンション用で約半数のシェアを持つ自社インターフォン端末に着目し、まちベルを開発した。

 まちベルの特徴は大きく3つある。1つ目が、情報を届けたいマンションの部屋に、音や光を使ってダイレクトに情報を配信できることだ。事業者が新店オープンやイベントの告知をしたいと考えた場合、同じ地域に大型マンションがあれば、マンション住民向けにPRしたいと考えるのが一般的だ。しかし、特に新築分譲マンションを中心にポスティングの禁止は広がっており、住民に情報を直接伝える手段がないのが実情だという。

 まちベルのサービスでは、朝9時と夕方4時頃に、居住者のインターフォン画面にダイレクトに情報を配信する。画面には画像や文章の他、QRコードも表示可能で、店頭で使用できるクーポンの発行やWebサイトへの誘導も容易だ。

インターフォンへの広告表示とスマホへの連携でより効率的にPRできる
インターフォンへの広告表示とスマホへの連携でより効率的にPRできる 提供:パナソニック エレクトリックワークス社
まちベルのユースケース
まちベルのユースケース 提供:パナソニック エレクトリックワークス社

 広告の制作は配信希望事業者が自ら行う。入稿画面はタイトル、本文、画像など必要最低限な情報のみのシンプルな構成で、専門知識がなくても簡単に入稿できる。また、閲覧率が上がる広告タイトルのヒント集や、画像加工用/クーポン作成用のフォーマットも用意している。なお、配信する広告は全てパナソニック エレクトリックワークス社で事前にチェックを行う。

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