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既存住宅の省エネ性能表示に新制度、「改修等部位ラベル」が2024年秋にスタートへ第6回「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度に関する検討会」(3/4 ページ)

国交省では膨大なストックが存在する既存建築物においても「省エネ性能表示制度」の適用拡大を目指し、2024年秋から「改修等部位ラベル」という新たな表示スキームの導入を開始する。

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新ラベル(既存住宅用)の対象部位・性能等の要件

 既存住宅向けの新ラベルが対象とする改修等部位については、その種類や省エネ性能等に関して、一定の要件を定めることとする。制度開始当初は、現行の省エネ基準を満たしていることを基本要件とするが、今後の省エネ基準の引き上げや、市場に供給される製品の性能実態等を踏まえ、必要に応じて見直しを行う予定である。

1.窓

 表示対象とする窓の設置範囲は、主たる居室のうちリビング及びダイニングを必須とし、寝室等その他の居室の窓を一室以上改修している場合はその旨を表示できる。表示対象とする窓の性能は、省エネ基準の仕様基準に定められた熱貫流率に適合するものを対象とする(熱貫流率の定めがない8地域については、日射熱取得率とする)。


表2.改修等ラベルを表示する場合の窓の省エネ性能要件 出典:建築物省エネ性能表示制度検討会

2.給湯器

 表示対象とする給湯設備の種類は、エコフィール、エコジョーズ、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)とする。

3.外壁等の躯体

 住宅の外皮(外気と接する屋根・天井・壁・床・基礎壁)は、省エネ基準(部位別の仕様基準)に適合する部位を表示の対象とする。窓と同様に、主たる居室のうちリビング及びダイニングに存する外皮の部位を表示の対象とする。

4.ドア

 省エネ基準の仕様基準に適合するものを表示の対象とする。外気に接するドアを対象とし、全てのドアが基準を満たすものを表示の対象とする。

5.節湯水栓、6.高断熱浴槽、9.太陽熱利用

 具体的な仕様は、省エネ基準上の評価(WEBプログラム)と整合させる。

7.空調設備(暖冷房)

 省エネ基準の仕様基準に適合するものを表示の対象とする(エアコンの場合、区分のうち(い)又は(ろ)の場合)。

8.太陽光発電設備

 当該設備により供給される電気が住宅で使用できるものを対象とする。

改修等部位ラベルのデザイン案

 既存住宅においても、総合的な省エネ性能(断熱性能、エネルギー消費性能)を示す「告示ラベル」を可能な限り使用することが望ましいため、「改修等部位ラベル」のデザインは、消費者の誤認を避けるための工夫が求められる。


図5.改修等部位ラベルのデザイン案 出典:建築物省エネ性能表示制度検討会

 全体の形状は告示ラベルと共通点を持たせつつ、あくまで部分的な情報であることが理解しやすいよう、モノトーンの控えめな色調として、改修部位のみをカラー表示とする。

 主要部位(窓・給湯器)については大きめのアイコンを用いることとするが、副次的な部位(外壁等)の表示方法については今後も検討を継続する。また、不動産の公正競争規約において、改修時期の明示が求められていることを踏まえ、改修部位等ラベルでは各部位の改修時期(年月)を表示することとする。

 なお、「改修等部位ラベル」は販売・賃貸事業者による自己評価により発行するものであり、BELSのような審査機関による第三者評価は想定していない。

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