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エンジン発電で“11時間半飛行”するドローン アミューズワンセルフの「はかる」に特化した製品開発メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023(1/3 ページ)

日本の災害では、有人のヘリコプターでは対応できないケースが多いとされている。家のすぐ裏で斜面が崩れる被害が多い日本では、ヘリコプターを飛ばすことでさらなる崩落を誘発する危険性がある。こうした災害現場の現状把握に、ドローンは有効となる。

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 アミューズワンセルフの冨井天夢氏は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」(会期:2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト東展示棟)の構成展の一つ「国際ドローン展」で、「長時間飛行が可能なハイブリッドドローンの技術紹介とドローン搭載型レーザースキャナーの適用事例」と題して講演した。

 アミューズワンセルフは「はかる」ことに主眼を置いたドローン関連企業だ。ドローン関の開発に着手したのは2006年で、これまで計測に使うハードウェアやソフトウェアを400種以上も製品化してきた。

 講演では、アミューズワンセルフの冨井天夢氏がドローン新製品2モデルとレーザー機器3モデルなどを紹介。中でも、搭載したエンジンで発電しながら飛行するハイブリッド型のドローンはユニークで、11時間を超える飛行が可能になる。レーザースキャナーと組み合わせることで、広い範囲も効率的に計測する。

正確な測量に寄与するレーザーを使ったスキャン技術

アミューズワンセルフ 冨井天夢氏
アミューズワンセルフ 冨井天夢氏

 ドローンの利用は、災害時の状況把握や建築での現地調査など、多様な分野に広がっている。冨井氏は、アミューズワンセルフが扱う製品として、測量などで利用されるレーザー機器を説明した。

 ドローンによる測量が開始された当初は、上空から撮影した複数枚の静止画を3次元化することで地形の状態を把握する方法が一般的だった。しかし、草や樹木がある場所は隠れた地表が撮影できず、正確な測量は難しかった。

地表に草や樹木などがあると、正確な地表をスキャンできない。その違いは、写真測量とレーザー測量の比較を見れば明らか
地表に草や樹木などがあると、正確な地表をスキャンできない。その違いは、写真測量とレーザー測量の比較を見れば明らか

 そこで、アミューズワンセルフは早い段階でレーザーに注目。草や樹木が茂っていても地表の状態を正確に取得できるレーザースキャナーの研究に着手した。2013年には、ドローン一体型のレーザーシステムを実用化し、販売を開始している。

 2015年には汎用的なレーザースキャナーを製品化し、2016年からは陸上と水中の地形を取得するドローン開発に乗り出し、2019年に発売。その後、2021年には現行のレーザースキャナーシステム「TDOT3シリーズ」をリリースしている。

レーザースキャナーの進化。グリーンレーザーによって、水中の地形も測量可能に
レーザースキャナーの進化。グリーンレーザーによって、水中の地形も測量可能に

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