ドローン第一人者の野波健蔵氏が創業した「Autonomy」の国産機体はどこが違う?ワイヤレス給電で24時間の現場監視:メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023(1/2 ページ)
Autonomyは、日本でのドローン開発の第一人者として知られる千葉大学 名誉教授 野波健蔵氏が2022年1月に創業した会社。日本のドローンに関する研究開発と社会実装で世界の優位に立つことを目標に定め、オープンソースを使わない完全オリジナルのスタンスで優れた機体とソリューションを生み出している。
Autonomy(オートノミー) 代表取締役 舘良太氏は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」(会期:2023年7月26〜28日、東京ビッグサイト東展示棟)の構成展の一つ「国際ドローン展」で、純国産Autonomyホールディングス製のオートパイロットを搭載した高性能ドローンについて講演した。
本講演では、Autonomyが開発したタイプの異なるドローンと、充電ソリューションや機体に搭載する通信装置やカメラなどを披露した。
ペイロード60キロの大型機や40分以上飛行する汎用型など幅広い機体ラインアップ
Autonomyの特徴は、純国産に特化し、オープンソースを使わない完全オリジナルでオートパイロットのドローンを開発している点だ。多様な製品ラインアップを展開するが、CMOの舘良太氏は、「ソリューションまで含め、一括した自社製品の提供が可能だ」とし、「運営体制としてはメーカー、ベンダー、カスタマーサービスを融合し、外注せずに自社対応できる」と他社との違いを説明した。
サイズや用途が異なるドローンとして、まず紹介したのは、汎用型のクアドコプターとして紹介されたのが「Surveyor-I(サーベイヤー ワン)」だ。縦幅ともに60センチ、高さは35センチのコンパクトな機体でありながら、ペイロード2キロの状態で40分以上飛行する。飛行スピードは最高で毎時約60キロ。
Surveyor-Iは、ネットワーク型RTK-GNSS仕様のため、点検や測量時に必要となる平均誤差20センチ程度の高精度測位が実現。NTTドコモのLTE通信を標準で搭載しているので、Wi-Fiの無い環境でも長距離を安定して飛行する。
「Surveyor-II」は、ドローン用のワイヤレス給電システム。縦横50センチの送電ヘッド上にドローンを着陸させることで自動給電する。フル充電に必要な時間は30分ほどで、ドローンを2台用意すれば、24時間連続で切れ目のない警備や監視が可能になる。
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