横浜市民防災センターに大和ハウスのマンションを再現 VRなどでリアルな防災の学び場に:防災(1/2 ページ)
横浜市消防局は、「横浜市民防災センター」をリニューアルし、マンションの一室を再現した展示スペースをはじめ、VRやCGをふんだんに活用した体験を通じ、防災対策の重要性を啓発する取り組みを開始した。
横浜市消防局は2024年4月2日、神奈川県横浜市神奈川区の「横浜市民防災センター」で、新しい防災体験を開始する。
横浜市民防災センターは、「防災・減災教育の場」「災害時の応急活動拠点」「横浜市消防音楽隊の活動拠点」「機動特殊災害対応隊の活動拠点」の4つの役割を担う施設として、1983年4月1日に開館した横浜市唯一の体験型防災学習施設だ。キャッチフレーズは「楽しく学んでしっかり備える」で、地震シミュレーターや火災シミュレーター、災害シアター、減災トレーニングルームなど、体験を通して防災や減災に必要な知識を習得できるコンテンツが随所に用意されている。
今回、「マンション防災対策コーナー」「VR自由体験コーナーの新たなVRコンテンツ」「風水害体験ツアーの新作映像」の3つの“新たな体験”が加わった。
リアルな展示でマンション防災の基礎知識を実践的に習得
マンション防災対策コーナーは、横浜市民防災センター2階に新たに設けた展示スペース。分譲マンションの一室を再現し、横浜市民防災センターの防災パートナー企業に選定された大和ハウス工業がデザインとレイアウト構成を担当した。
新コーナーの名称は「ダイワハウスpresentsマンション防災考えるーム」。窓枠や玄関ドア、バルコニーの手すり、リビング建具、家具(一部)などは、大和ハウス工業が分譲マンションのモデルハウスで使用した建材を再利用し、よりリアルな環境に近づける工夫が施されている。
室内には、横浜市消防局が作成した防災知識をまとめたパネルや感震ブレーカーなどの防災設備、家具の転倒防止対策、在宅避難時の備蓄品、避難ハッチ/はしごなどを展示。見学者は室内を移動しながら、室内の危険な箇所を確認したり、実物の避難器具の取り扱いを体験したりできる。他にも、コーナー内に防災クイズを3カ所用意し、マンション防災について考えながら楽しく学べる仕掛けを用意している。
横浜市民防災センターの担当者は、「横浜市内の住戸数におけるマンションなどの共同住宅の割合は約60%、全国平均の40%と比べても非常に高い。今後もその割合が増加することが見込まれている」と語り、マンション防災コーナーを新設し、マンション防災に特化した啓発活動を行うことの重要性を説明した。
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