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2024年4月から始まる住宅・建築物の「省エネ性能表示制度」、そのポイントをおさらいZEB(2/3 ページ)

建築物の省エネ性能の周知を目的に、2024年4月からスタートする「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」。本稿では同制度の概要や、運用方法の概要などについて解説する。

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省エネ性能ラベルの掲載内容

 建築物の省エネ性能について表示すべき事項や表示の方法、その他順守すべき事項については、改正法に基づく告示により具体的に定められている。また、表示事項等の詳細については、「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度 ガイドライン(第1版)」(2023年9月)において説明されている。

 住宅/非住宅、再エネ設備の有無等により、省エネ性能ラベルのデザインが少し異なるが、以下の図3は、住宅(住戸)の再エネ設備あり、第三者評価(BELS)の場合の例である。


図3.住宅用省エネ性能ラベル(BELS)の例 出典:国土交通省

 「エネルギー消費性能」の欄は、一次エネルギー消費性能(BEI)を星の数で示しており、省エネ基準の達成(BEI 1.0以下)により最初の星が付き、星1つが一次エネルギー消費量の削減率10%分に相当する。また、再エネ設備(太陽光発電)の有無により、全体の星の数や星のデザインが異なる。


図4.エネルギー消費量削減率の多段階評価 出典:省エネ性能表示制度

 住宅の「断熱性能」欄では、家の形のマークを用いた多段階評価を行い、UA値(外皮平均熱貫流率)とηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)それぞれについて地域区分に応じた等級で評価を行い、いずれか低いほうの等級を表示する。


図5.住宅断熱性能の多段階評価 出典:省エネ性能表示制度

 「目安光熱費」欄は、一般消費者が省エネ性能の高低をより直感的に把握・比較できるよう設けられている。住宅の省エネ性能に基づき算出された電気・ガス等の年間消費量に、単価を掛け合わせて算出した1年間の光熱費を目安として示すものであり、ラベル作成の際に、自動計算で算出される(非表示とすることも可能)。


表1.算出に使用する燃料費等の単価(全国共通) 出典:資源エネルギー庁

 ラベルの右下には、ZEHに関する欄(チェックボックス)が2つ設けられており、「ZEH水準」の達成状況や、「ネット・ゼロ・エネルギー」の情報(ZEHファミリー基準の達成状況)が確認できる(※「ネット・ゼロ・エネルギー」の情報はBELSの場合のみの表示)。

 なお、従来のBELS評価書では、ZEHファミリーの分類(ランク)がマークだけでは判別できなかったが、4月以降は『ZEH』などの分類がマークに加わり、マークだけでその判別が可能となる。(ZEBについても同様)


図6.ZEH分類別のマーク追加 出典:住宅性能評価・表示協会

 そもそもラベルは、星の数により、視覚的・ボリューム的にその性能を消費者に伝えるものであるが、ZEHのように「定義」や基準の説明を要するものを掲載することには、一定の困難を伴うと考えられる。

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