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清水建設とアイダ設計が全社標準で導入、1台で現場全景を遠隔巡視するカメラ「Safie GO 360」“アナログ規制緩和”に対応(3/4 ページ)

建設現場向けにクラウド録画カメラを展開するセーフィーは、固定設置型の定点観測カメラ「Safie GO」シリーズに、建設現場全体を1台で撮影する「Safie GO 360」を追加した。撮影した広角の映像は、360度上下左右に動かせ、隅々まで取り逃しがなく、施工品質の確保や労働災害防止に役立ち、2024年問題の解決や同年6月にも解禁される遠隔巡視に対応した建設ICTツールとなっている。

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アイダ設計と清水建設の建築/土木部門でセーフィー製品は課題解決に役立っているか?

 新製品発表会の後半は、「大手建設会社/ハウスメーカーと考える360度カメラとデジタルツインが創る現場の今と未来」と題し、ハウスメーカーのアイダ設計と、清水建設の建築部門と土木部門の各担当者を招き、パネルディスカッションを展開した。

アイダ設計 建設本部 部長 堀江久幸氏
アイダ設計 建設本部 部長 堀江久幸氏 筆者撮影

 今では全国の約120拠点にセーフィー製品を採用しているアイダ設計の建設本部 部長 堀江久幸氏は、製品選定で候補に挙がった7社の中から、使用用途との合致やアプリ上の管理画面の見やすさを理由に導入を決めた。

 直面している2024年問題に対しては、「1〜2年前から取り組んでいるが、人を増やすだけではもう限界が来ている。アナログ規制緩和を含め、いかに業務を効率化させるかが課題」と語る。特に戸建ての現場監督は職人との電話連絡が多く、現場に進捗確認に行く移動の手間などで拘束時間が長時間に及ぶ。セーフィーのカメラを設置すれば、現場に行く必要がなくなり、職人との打ち合わせの工数も減らせる。

アイダ設計の戸建住宅現場での「Safie GO 360」設置画像(左)、Safie Viewerの映像(右) 提供:セーフィー
清水建設 建築総本部 生産技術本部 生産技術開発センター デジタルマネジメントグループ 主任 大垣博氏
清水建設 建築総本部 生産技術本部 生産技術開発センター デジタルマネジメントグループ 主任 大垣博氏 筆者撮影

 清水建設 建築総本部 生産技術本部 生産技術開発センター デジタルマネジメントグループ 主任 大垣博氏は、「いまや建築部門の全社標準アイテムになっている」として、現場のゲートに設置し、防犯や安全対策、品質管理などで活躍の場を広げている。Safie Pocketシリーズも、職長のヘルメットに装着し、職人目線の映像で、現場事務所から遠隔の進捗管理を行っている。

 超高層ビルの建設では、その都度、現場巡回せざるを得ないケースが多々あり、最上階の鉄骨の建て方確認では鳶の職人しか行くことができないこともある。「カメラソリューションであれば、最上階までの往復で12時間要するタイムロスが無くなり、鳶職人がどういった作業をしているか、不安全行動の防止だけでなく、品質管理にもつながる。休日に台風や地震が起きても、現場所長は現地に行かずとも、すぐに確認できるので、まずは一安心するとの好意的な意見も聞いている」と大垣氏は高評価を与える。

清水建設の建築現場での「Safie GO 360」設置画像(左)、Safie Viewerの映像(右) 提供:セーフィー

 土木分野では、2023年にセーフィーとともに共同実証を行った清水建設 土木東京都支店 千葉土木営業所 外環京葉Gランプ作業所 工務主任 石崎裕大氏(※崎はたつさき)が活用事例を解説。電源に接続するだけの手軽さに加え、多岐にわたる利便性が魅力となり、担当する現場で現在は計5台を運用している。

 課題解決への寄与の面では、「将来の人手不足を見越し、建設業各社は若手の技術者や技能者を配置することが増えているが、未熟な技術/技能をどう補うかの問題に直面している。当社では、セーフィー製品が工事現場を常時映しているので、工事手順や熟練者の現場での動きを録画した映像を教育素材とし、技能伝承に利活用している。映像のため、見るだけで一連の手順が分かるし、伝える側も口で細かく教える労力の解消にもなっている」と新しい使い方を提示する。

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