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「有事への備え」――石油・LPガス備蓄の現状と水素等へのタンク転用エネルギー管理(1/4 ページ)

電力インフラのレジリエンスを考える上で、災害時にはエネルギー供給の「最後の砦」と位置付けられている石油。昨今の不安定な国際情勢や脱炭素化の流れを受け、資源エネルギー庁では今後の石油備蓄の在り方についての検討を進めている。

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 日本における石油の供給量は1990年代以降、低下傾向にあるものの、一次エネルギーに占める比率で見れば、現在でも最大の36%を占めている。

 また現行のエネルギー基本計画では、石油について「エネルギー密度が高く、最終需要者への供給体制及び備蓄制度が整備されており、可搬性、貯蔵の容易性や災害直後から被災地への燃料供給に対応できるという機動性に利点があるため、災害時にはエネルギー供給の『最後の砦』となる」ものと位置付けられている。


図1.一次エネルギー国内供給の推移 出典:エネルギー白書2023

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、日本の原油輸入の中東依存度はさらに高まっており、有事に備えた石油備蓄の必要性が一層高まっているほか、2022年にはIEA協調行動として国内初の国家備蓄石油の放出も行われた。

 このような国際情勢の変化やエネルギー分野の脱炭素化の国際動向を踏まえ、資源エネルギー庁では、石油備蓄目標の在り方に係る中間的レビューを行うため、「石油備蓄のあり方検討会」を設置した。本検討会のとりまとめは、次期エネルギー基本計画にも反映される予定である。


図2.日本の原油輸入先(2022年度) 出典:財務省貿易統計

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