検索
ニュース

セコムが2024年春に発売する国産ドローンXXの実力 AI活用で“警備DX”の先へドローン(2/3 ページ)

セコムは、人や車を画像認識AIで検知する国産の次世代機「セコムドローンXX」を開発した。AIに加え、雨や風の中での自動運用を可能にした飛行性能で、XXの名の通り、フィジカルセキュリティに限らず災害対応やインフラ点検などの多用途(X)でドローン市場そのものの変革(X)を目指す。

Share
Tweet
LINE
Hatena

3Dマップで最短ルートを飛びながら計算

 セコムドローンXXのスペックをみると、飛行時間は従来機の最大10分から20分に延長。水平速度も時速10キロから時速36キロと3倍以上にスピードアップ。懸念点だった飛行距離は最大12キロで、耐風性能も平均毎秒10メートルまでに耐える機体設計となっている。通信はLTEを介し、映像とデータを飛行しながら転送できるようになり、これまでのようにWi-Fi環境の構築などの導入コストが抑えられるメリットがある。

「セコムドローンXX」と従来機の比較
「セコムドローンXX」と従来機の比較 提供:セコム

 最大の特長となっているAIは、可視カメラとLED照明、赤外線カメラの使い分けで昼夜を限定せずに、6万枚以上の画像を学習したAIが人や車を検知して、管理者に知らせる。追跡対象は人がPCにインストールするドローンの制御や運用を行うアプリ「管制卓」上で指定するが、その後はドローンが自動追跡する。旧モデルのように、地上のレーザーセンサーとの連携を必要としない。

防災センターで確認する管制卓の画面。右下のワイプ画面が赤外線の映像で、追跡対象は赤枠で表示
防災センターで確認する管制卓の画面。右下のワイプ画面が赤外線の映像で、追跡対象は赤枠で表示
可視カメラとLED照明、赤外線カメラの使い分けで昼夜でも運用可能に
可視カメラとLED照明、赤外線カメラの使い分けで昼夜でも運用可能に 提供:セコム

 飛行ルートは、セコムグループのパスコが提供する標高データ(DSM/DTM)を含む人工物や植栽など障害物も統合した3Dマップで、飛行可能領域を指定しておく。飛ぶ際はマップを参照して高度を設定し、経路間に障害物があれば、迂回経路を自動計算して目的地へ進む。仮に突風などで飛行禁止エリアに近づいても、自己位置とマップを比べ、離れるように自動で回避し、侵入してしまったら事前に設定した緊急着陸ポイントへ最短ルートで向かう機能が実装されている。

3Dマップを利用したリアルタイムナビゲーション。赤枠が「セコムドローンXX」に搭載された新機能
3Dマップを利用したリアルタイムナビゲーション。赤枠が「セコムドローンXX」に搭載された新機能 提供:セコム

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る