調査リポート
「超重要インフラ」の維持管理が崩壊する2030年クライシス 人材確保に向けたマイスターエンジの提言:スマートメンテナンス(2/4 ページ)
2000年以降、生産年齢人口減少の1.5倍以上にもなる急速なペースで技術者の減少が進行しており、年々増加する超重要インフラとの需給ギャップから、2030年には3割以上の設備でメンテナンスが成り立たなくなる危機が迫っている。
9割の設備・機械メンテナンスエンジニアの職場で「人材不足」が発生
調査結果によると、設備・機械メンテナンスエンジニア職として勤務中の職場で「技術者の人手不足」は、9割で「人材不足」が発生し、1割の職場では既に維持困難となっており、メンテナンス技術者不足の解消は急務の状況にある。
設備・機械メンテナンスエンジニア職」の就業満足度では、メンテナンス技術職は現従事者のうち、4人に3人は一定の満足感を持つ「住めば都」的職種と回答した。
また、勤務する現在の職場での働き方や仕事内容は、「社会貢献」や「技能業界の将来性」を強く実感し、高い満足度を下支えしている。
新卒就職活動もしくは転職活動で、「技能を習得し手に職をつけられる職種=技術職/エンジニア職」を志望しているかを聞くと、理系学生は3分の2がエンジニア職を検討。文系学生や技術職未経験の転職活動者は、4分の1にとどまっている。
技術職の中で検討職種は、ITエンジニア職が圧倒的で文系学生でその傾向が特に強く、メンテナンス技術者職の志望割合は、約1割程度だった。
設備・機械メンテナンスエンジニア職を志望職種として検討するか質問すると、約8割が認知しているが、3人に2人は検討さえしておらず、「自分にはマッチしない」というイメージ先行のため、選択肢からそもそも除外されている可能性がある。
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