高価な建設ICTを用いた“i-Construction”は「ホントに儲かる?」コベルコ建機が真相を明かす:第5回 建設・測量生産性向上展(3/3 ページ)
昨今は、IoTセンサーや空間処理技術を用いたマシンガイダンスや遠隔操作を備える高額なICT建機が市場に現れてきている。だが、3次元測量や情報化施工も含め、i-Constructionを活用することは、建設会社に費用対効果が見込める、言うなれば「本当に儲かる」のだろうか?
利益シミュレーションには、ICTの積算を理解すべし
i-Constructionが従来の工事に比べて儲かるか、儲からないかは、従来の積算とそれに掛かっていたコスト、ICTでの積算とそれに掛かるコストの4つを比較することで求められる。つまり、従来の利益とICTでの利益、積算の増減と実行コストの増減が計算できるわけだ。そして、この計算結果によって、i-Construction導入で利益が増えるのか減るのかが判明する。
関口氏は、「ICTの積算が分からない人が多いから、利益も分からない人が多い」と語る。しかし、計算すれば利益の存在が判明する。「会社の積算部隊とやりとりすれば見えてくる。ぜひ積算の方にも目を向けて欲しい」。
ICT建機の利用は、確かに従来工事に比べるとコストが増大する。しかし、積算を理解した上でシミュレーションすれば、従来よりも多くの利益が得られることが一目で理解できる。関口氏は、ICT建機の利用でしっかりとした利益があることを「強烈にお伝えしたいメッセージ」と訴えた。
講演では、1億円/2万立方メートルの工事を例に、利益の計算例も紹介。起工測量、3次元設計データ作成、ICT施工、施工管理、電子納品の各プロセスを通して、具体的なコストを示し、結果として「儲かる」結果となった(※具体的な金額は、コベルコ建機と関口氏の独自ロジックをベースとしているので非公表)。
さらに、工事規模(工事費)別の金額比較も行った。起工測量から電子納品に至る5つのプロセスにのみフォーカスすると、従来工事で1%前後の利益率しかなかったが、ICT工事であれば10%前後まで高められる。
ただし、盛土は3万立方メートル前後で損益分岐点があり、工事規模が大きくなるほど損益がマイナスになってしまう。関口氏は「(盛土の)ブルドーザーは、早く仕事を終わらせて返さないとレンタル費用がかさむ」と注意点を指摘した。
講演では、他にも、i-Constructionに対応したコベルコ建機の3Dバックホーや通信ネットワークを介した建機の遠隔操作ソリューション「K-DIVE」といった製品やサービスも披露した。
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