品質・安全性・生産性の3つの観点から、自律走行式やEV化など次世代につなぐ建機開発に挑む「酒井重工業」:第5回 建設・測量生産性向上展(2/3 ページ)
製品を展示してただ見てもらうというスタイルではなく、会話を通して自社の取り組みのコンセプトへの理解を深めてもらえるような構成となった「第5回 建設・測量生産性向上展」での酒井重工業の展示ブース。
現場の見える化で、施工の「品質」を向上させるサービス
品質の観点で開発したのは、転圧管理システム「コンパクションマイスター(Compaction Meister) CCV付」と切削管理システム。
コンパクションマイスターは、GNSSやトータルステーションを使って重機の位置を特定し、重機に取り付けたCCVセンサーやコントローラーで、締め固めの回数やCCV値を測定・管理する。
CCVとは、酒井重工業が独自に編み出したローラ加速度応答法で算出する締固め度(剛性値)の指標のこと。転圧回数だけでなく、実際にどの程度締め固められたかを数値化することで、より高精度な施工管理を実現する。オプションで温度計を重機に取り付ければ、転圧温度の管理にも使用可能だ。
転圧状況は、建機に備え付けた専用ディスプレイにヒートマップとして“見える化”されるので、現場で確認しながら管理基準に達するまで転圧を繰り返せる。また、ボタン1つで施工内容を記録可能で、記録データは、クラウドサーバを介して専用Webに取り込むことで、進捗管理や帳票作成に活用できる。
切削管理システムは、GNSSと切削深さと横断勾配制御を可能とするACCS(オートマティックカッタコントロールシステム)4を用いた切削深さから、切削出来形を管理するシステム。カッターフレーム左右に取り付けたGNSSアンテナで切削機の位置情報、ACCSで切削深さの情報、傾斜計でカッタードラムの傾き情報をそれぞれ取得する。専用ディスプレイに、そうした情報から導き出した切削深さと、起工測量などをもとに事前に作成した計画深さとを表示することで、オペレーターを支援する。
コンパクションマイスター同様に、施工内容の記録が可能で、記録データはクラウドにアップして、専用Webサイトで施工結果を確認したり、帳票作成用のデータ(CSV)を書き出して、点群処理ソフトウェアで帳票作成に役立てたりできる。
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