中学生がパスタとマシュマロで建築設計の楽しさに触れる、日建設計のワークショップ:産業動向(1/2 ページ)
日建設計は、若年層が建築設計に関心を持つ機会として、中学生向けのワークショップを不定期で開催している。今回のワークショップでは、パスタとマシュマロを使って、美麗かつ強度を併せ持つタワーを創作した。
日建設計は2023年3月27日、東京都千代田区の東京本社ビルで、中学生を招いた「パスタタワー・ワークショップ」を開催した。ワークショップは、子どもたちが設計に関心を持つ機会として企画し、直径1.6ミリのパスタとマシュマロを使って可能な限り高く美しいタワーを作った。
建設サービス業としての日建設計を知ってもらう機会に
今回、パスタタワー・ワークショップに参加したのは、駒場東邦中学校の生徒19人。3〜4人のチーム6班に分かれ、タワーの製作に取り組んだ。
タワーの材料として用意されたのは、スーパーマーケットなどで売られているパスタ(直径1.6ミリ、100グラム)とマシュマロ1袋(約30個)。約1時間の制限内に、より高く美しいタワーを作ることを目標とした。ワークショップでは、各班が同じ材料を使う。高いタワーを作るには、強度や精度に関する知識や工夫が重要で、美しいタワーを作るためには発想や表現の力も求められ、目指すものを作るにはクリエイティブにチャレンジする姿勢も欠かせない。
日建設計がワークショップを始めたのは、2018年が最初。その後、コロナ感染症の影響で2019年に2回目を開催して、その後は中断したため、今回の開催は3回目となる。その目的は、若い学生に建築や設計、さらに進んで日建設計という会社に興味を持ってもらうことにある。
昨今は、人手不足や労働環境の課題など、建設業を取り巻く環境は厳しくなりつつある。しかし、日建設計は現場での建設工事を行わなず、設計や企画、調査、コンサルティングといったサービスを提供している。ただ、こうした建設業と建設のサービス業の違いは、説明しないと学生には伝わりにくい。
パスタタワー・ワークショップは、このような現状を見据えた活動の一例となる。日建設計で広報を担当する飛田早苗氏は、「こうした試みを通じ、子どもたちが建築や設計に興味を持ってくれることを期待している」と話す。
環境を見据えた設計など、日建設計が志す意匠、構造、設備の方向性を紹介
今回のワークショップでは、パスタタワーの製作に入る前に座学の時間を設けた。テーマは「建築とデザインについて」「構造から考える地震への備え・対策について」「建築設備について」の3つ。日建設計が取り組む“建築設計”がどんな仕事なのかを含め、たっぷりと時間を取って説明した。
各テーマの説明を行ったのは、田中渉氏、刀田健史氏、久保洋香氏。それぞれが意匠、構造、設備の専門家として、担当分野の仕事内容を紹介した。
【講師プロフィール】
■田中渉氏/日建設計 設計部 アソシエイト
手掛けたプロジェクト:成田国際空港第3旅客ターミナルビル(成田市)、天草市複合施設ここらす(天草市)など
■刀田健史氏/日建設計 構造部 アソシエイト
手掛けたプロジェクト:天草市市庁舎(天草市)、天草市複合施設ここらす(天草市)など
■久保洋香氏/日建設計 設備部 アソシエイト
手掛けたプロジェクト:ダイヤゲート池袋(豊島区)、ミュージアムタワー京橋(中央区)など
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