Matterportに生成AIを実装した「Genesis」を年内リリース チャットだけで3Dモデルの設計変更を自動化:ジェネレーティブデザイン(2/2 ページ)
Matterportは、AIファースト戦略を打ち出し、ディープラーニングとコンピュータビジョンに生成AIを組み合わせた「Genesis」をデジタルツインプラットフォームに実装する。
「Genesis」は2023年末までにリリース
また、ワークプレースの3Dモデルでは、「このフロアに(仕切りの無い空間が連結した)オープンフロアプラン/オープンコンセプトで、何人を配置できるか?」と質問すると、平面図に机を自動で配列し、各デスクにも人を示す青い点が置かれ、「オープンフロアプランであれば95人が可能」とチャットで返答される。さらに、別のオフィスレイアウトを求めれば、机が並び変えられる他、クリエイティブ/カジュアル、クワイエット レイアウトなどの他の提案も示される。
Genesisのプロジェクトは、Matterportの10年に及ぶ人工知能の専門知識と、7億平方メートル以上のデジタル化された3D空間データのライブラリが基盤となっているという。Matterport会長兼CEOのRJ ピットマン(RJ Pittman)氏は、「Matterportは、人工知能における初期の進展に支えられ、10年以上にわたって建築物のデジタルトランスフォーメーションで最前線を走ってきた。Genesisは、その戦略を継承しており、Matterportとパートナーが建築空間の変革的デジタル体験を創出し、世界中の建物の運用を改善できるよう支援する」とコメントを寄せている。
Genesisで想定されているユースケースとしては、インテリアデザインと空間利用の設計検討をはじめ、空調設備や空間の最適な配置などで建物のエネルギー消費削減つながるアイデアの模索、維持管理上での問題の早期解明と解決のヒント、火災の危険や建築基準法違反などの潜在的な安全性とセキュリティリスクの洗い出しなどがあり得る。
Matterportは今後、Cortex AIとProperty Intelligenceで、AIファースト戦略を展開していき、Genesisのデジタルツインプラットフォームへの統合は、2023年末までに初期リリースする予定だという。
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