年金受給者が対象、老後の住まいと大規模修繕に関する実態調査:産業動向
カシワバラ・コーポレーションは、老後の住まいを考えるきっかけづくりが目的の「老後の住まいに関する実態調査」を、全国の年金受給者を対象にインターネットで実施した。2023年4月の税制改正におけるマンション長寿命化促進税制の創設を受け、「大規模修繕に関する実態調査」も併せて行った。
カシワバラ・コーポレーションは、老後の住まいを考えるきっかけづくりが目的の「老後の住まいに関する実態調査」をインターネット上で実施した。調査期間は、2023年3月31日〜4月3日、対象者は全国の65歳以上の年金受給者の男女600人。さらに2023年4月の税制改正におけるマンション長寿命化促進税制の創設を受け、「大規模修繕に関する実態調査」も併せて行った。
持ち家・賃貸のデメリットについて、持ち家派が懸念していたデメリット1位は「住宅購入の費用負担が大きい」(38%)だったが、「実際の老後生活でのデメリット(定年後)の1位は「維持費の負担」(26.7%)、2位は「家族構成の変化による間取り余り」「固定資産税や火災保険料などがかかる」とともに18%だった。
賃貸派(定年前)が懸念していたデメリットは「老後の家賃負担」が50%を占めて1位に。続いて、「高齢になったときに契約を更新できない可能性がある」(32.7%)となった。実際の老後生活での賃貸住宅のデメリット1位も家賃負担で34.3%だった
持ち家・賃貸のメリットについては、持ち家のメリット1位は「安定した居住環境の確保」(46.7%)で、2位は、「ローン支払い完了時の出費が抑えられる」(2位、32.7%)であった。
賃貸のメリット1位は「税金の支払いがない」(32.7%)で、税金や修繕費用などの金銭面のほか、交通機関までの利便性の良さも回答として挙がっていた。
持ち家・賃貸の満足度では、持ち家派の約9割が持ち家をおすすめしたいと回答したが、賃貸をおすすめしたい賃貸派は約6割に留まった。
賃貸派の3割以上が「高齢が理由で引っ越しがしにくい」ことが懸念とし、実際に3%が賃貸契約を断られた経験があった。
高齢化や工事費の上昇により、マンションの大規模修繕の積立金不足が深刻な問題となっている。マンション購入者の7割以上が大規模修繕費の値上げを経験し、大多数が大規模修繕の値上げは避けられないと感じている。
マンション長寿命化促進税制を知らない人は約8割で認知度は低く、このような状況にもかかわらず、マンション購入者の4割以上が次の大規模修繕工事を把握していなかった。
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