国立駅南口に4階建て木造商業ビル「(仮称)nonowa国立SOUTH」が2024年春開業、大林組の設計・施工:プロジェクト
JR東日本グループのJR中央線コミュニティデザインが「国立」駅南口で計画中の木造商業ビル「(仮称)nonowa国立SOUTH」が、大林組の設計・施工で着工した。
JR東日本グループのJR中央線コミュニティデザインは2023年3月7日、JR「国立」駅南口の東京都国立市中1丁目で計画中の木造商業ビル「(仮称)nonowa国立SOUTH」について、2024年春の開業に向け、2023年年3月中旬に大林組の設計施工で着工したと発表した。施設の規模は、木造地上4階建て、延べ床面積約2450平方メートルとなる見通し。
スギ人工林が吸収する17年分に相当する約150tのCO2を固定
(仮称)nonowa国立SOUTHは、JR東日本グループ初の木造商業ビルとして、大林組の中高層木造建築の技術を導入。ビル構造部などへ積極的に木材を使用することで、CO2の固定化、森林資源の循環利用促進に貢献するとともに、「サステナブル」をキーワードに、景観やまちづくりへの取り組みに力を入れる「国立」という立地にふさわしい商業ビルの建築を目指す。
新設するビルでは、木材の使用で試算上、1ヘクタールのスギ人工林が吸収するCO2量の17年分に相当する約150トンの二酸化炭素固定が可能となる。内装仕上げなどには、地域の木材である多摩産材を使用し、林業や木材産業をはじめとする地域経済の活性化に貢献する。
また、建設地は防火地域内に位置し、防耐火の要件が厳しい地域でありながら、構造部や内装仕上げ部に積極的に木材を採用している。構造部は、大林組の汎用木材による耐火木造技術「オメガウッド(耐火)」の木柱と、鉄骨梁(はり)を組み合わせたハイブリッド木構造とし、鉄骨梁も耐火被覆に集成材を利用した木質ハイブリッド集成材梁とし、木造の耐火建築物を実現する。
異種構造の接合部は、耐火性能上で熱伝搬の課題があることに対し、接合部をプレキャストSRC造とし、熱伝搬を抑止することで解決している。さらに、1階木柱の柱脚部は、地盤面より約1メートルの高さまでRC造とすることで、木柱部の応力低減と併せ、防腐や防蟻対策を図っている。
なお、(仮称)nonowa国立SOUTHのプロジェクトは、国土交通省からこの計画が先導的な木造建築物として設計・施工技術などの広範な普及や発展が期待でき、脱炭素社会の実現につながるとして認定。「令和4年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」として採択された。
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