オールインワン型の建設DXスマホ「蔵衛門Pocket」登場:現場管理
ルクレは電子小黒板タブレット「蔵衛門Pad」の新ラインアップとして、建設現場の業務に特化した専用スマートフォン「蔵衛門Pocket」をリリースした。
ルクレは2023年3月6日、2014年から販売している電子小黒板タブレット「蔵衛門Pad」に、スマートフォンサイズの新端末「蔵衛門Pocket」をリリースすると発表した。
蔵衛門Pocketは、建設業の「2024年問題」への対応策として、スマートデバイスで現場のコミュニケーションを加速させる現場共有アプリを標準搭載した。工事写真や遠隔臨場、トーク、図面のリアルタイム共有だけではなく、音声SIMを挿入すると電話やSMSも使えるオールインワン型の建設DXスマホとなっている。
中小企業に向けに手軽なスマートデバイスとして提案
2025年に開催を控える大阪万博や国が推進する国土強靭化計画などを受け、建設需要は高い水準で推移。その反面、工事現場では、若者離れと高年齢化による人手不足が深刻となっている。これまで猶予期間が設けられていた時間外労働の上限規制も、2024年4月に適用されるため、業界全体で働き方改革を進めている。
そこで特に注目されているのが、施工管理のDXであり、クラウド型の施工管理サービスは、3年連続で前年比140%と成長を続けている。現場では従来、デジカメや携帯電話を使用していたが、ここ数年はスマートフォンへと変化。新型コロナウイルスの影響でビデオ会議が広まり、現場の立会検査も遠隔臨場に置き換わってきている。
このように建設DX市場は拡大しているが、そのほとんどは中堅以上の企業であり、小規模建設業者はIT予算やIT人材が乏しく、デジタル格差が広がっている。
ルクレは2014年に元祖電子小黒板となる専用タブレット「蔵衛門Pad」をリリース後、ポケットに入るスマホサイズの需要が高まっていることに伴い、iOS用の電子小黒板アプリもラインアップに追加した。しかし、円安などによる端末の価格高騰により、低価格帯スマホへのニーズが増えたこともあり、中小企業の限られたIT予算でも導入可能な端末を市場に供給する目的で、蔵衛門Pocketを開発するに至った。
蔵衛門Pocketは足場の悪い現場での利用も考慮して、耐衝撃ケースとネックストラップを付属。現場パトロール中に写真を撮って工事関係者とリアルタイム共有や電子小黒板入り写真の撮影、図面や写真にコメントやマーカーを入れて指示出しできる施工管理アプリ「蔵衛門クラウド」を標準で備えている。SIMフリー端末なので、音声通話SIMカードを挿入すれば、電話としても利用できる。
使用用途は、工事関係者で工事写真や電子小黒板、図面のリアルタイム共有、ビデオトーク機能による遠隔臨場、写真や図面にコメントを付けた帳票の代替や施工指示など。他のスマートデバイスとの差別化ポイントでは、写真の改ざん防止と工事写真レイヤー化に対応したJ-COMSIA認定製品な点に加え、リモート操作を活用した無料サポートが受けられる。
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