クラッソーネが空き家に関する意識調査、自身での活用意向が高まる:調査レポート
クラッソーネは「空き家に関する意識調査」の第3回を実施した。調査対象は空き家所有者の30歳以上の男女1051人。調査結果から、テレワークの普及で働く世代を中心に「空き家を所有・活用したい」という意向が高まっていることが見えた。
クラッソーネは、「空き家に関する意識調査」の第3回を実施した。本調査は2022年10月、空き家所有者の30歳以上の男女1051人に対して行われた。
空き家の活用/処分については、空き家を「活用したい」と回答した所有者が47.6%、「処分(解体)したい」が23.9%、「分からない」が28.5%で、第1回、第2回に引き続き、活用意向が高い結果となった。
所有者が希望する活用方法は、「自分や家族で別荘・セカンドハウスとして利用したい」が41.6%、次に「自分や家族が居住したい(リフォームまたは建て替えを含む)」が38.6%と、売却や賃貸による現金化より、自分自身での活用を望む所有者が多いことが明らかになった。いずれも3回の調査を通して増加傾向であり、自分自身での利用意向が高まっている。
別荘・セカンドハウスとしての利用は、第1回調査では70代以上が一番多かったのに対し、今回は30代の49.1%が一番多く、40代、50代と続いた。より若い世代で、居住地と空き家の距離にかかわらず、別荘・セカンドハウスでの利用意向が高まっている。
コロナ禍でテレワークが普及し、働き方や働く場所の選択肢が増えたことで、特に30〜50代の働く世代に意向の変化があったことが考えられる。二拠点居住へ興味を示す人が増え、拠点として中古住宅が注目されている。また、仕事に集中するための環境作り、私生活の充実、仕事の質の向上などのための空き家活用の動きが読み取れる。
「働き方改革」の一環として、行政もテレワークを推進しており、今後も空き家を活用した二拠点生活や地方移住の希望者が増加することが予測される。
クラッソーネによる空き家に関する意識調査は、国土交通省が公募した「令和4年度住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に採択され、同社の「『街』の循環再生を育む、除却と流動化支援事業」の一環として実施。2021年8月に第1回、2022年1月に第2回を実施している。
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